パラレル設定/みんなオーブで平和にやってます


ディアッカは困っていた。
なぜかと言うと――ごく単純なこと。
明日はホワイトデー。しかしディアッカは、ミリアリアへのお返しを決めかねていた。

プレゼントが浮かばない。
――もとい、浮かびすぎて絞り込めない。
あげたい物は沢山あるが、何を渡せばミリアリアが一番喜ぶか……そこで躓いてしまっていた。

「こーなったら、聞き取り調査と行くか」

気合を入れ、ディアッカは立ち上がった。





大切な人に贈る物





「――というわけだ、キラ」
「とゆー訳でって言われても」

突如押しかけてきたディアッカに、キラは率直な感想を返した。
ここはマルキオ邸。ディアッカは、キラならミリアリアの欲しい物を知っているかもしれないと思い、馳せ参じたのだ。

「ミリィに直接訊いたら良いじゃん」
「ンな格好悪い真似、出来るかよ」

ムスッとして、ディアッカはマルキオ導師が淹れてくれた紅茶を飲み干す。

「じゃ、お前は何渡すんだよ、ラクス嬢に」
「え? 僕?!」

突然話を自分に振られ、キラは慌てふためいた。
まさか、こっちに火の粉が降ってくるとは、思いもしなくて。

「なんで僕……今はディアッカの話でしょ?」
「だから、ミリアリアへのプレゼントの参考に、お前のプレゼントを訊いてやるって言ってんだ。ありがたく思えよ」
「ありがたくないっ! 全然ありがたくないッ!!」

キラは、過剰に回答を嫌がった。おかげでディアッカの興味は、どんどん「キラのプレゼント」へと移っていく。

「何でそんな嫌がんだよ。……さてはお前、健全サイトじゃ伏字にされちまうようなことでも――」
「ちょ、待ってよ! 僕はディアッカとは違うからね!!」
「…………ってお前、それはちょっと傷つくぞ?」

何だか非情に引っかかる言い方をされ、ディアッカは非情に不快な気分に襲われるが、ジト目でキラを見やるが、彼は気付くことなく、ひたすらまくし立てた。

「何言ってるんだよ、ディアッカ! そりゃ、ラクスからチョコは貰ったし、僕もお返しはするけど、でもそんな、ディアッカが考えてるような関係じゃ――」
「では、どんな関係なのでしょうね」
『――!!』


ぎしっ。


キラとディアッカ、二人の体から軋む音がする。



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