きっとそれは、二人が繋がってる証。


君に泣く夢





ずっと、ミリアリアに逢っていない――


一体どれだけの時間、彼女に会ってないかと考えて……指折り数えてみたら、ディアッカの両手だけでは足りなくなってしまった。
それだけ、会っていない。

ディアッカはプラントへ。
ミリアリアはオーブへ。

それぞれがそれぞれの故郷に戻ったのだから、当たり前のこと。しかも、方や地球、方や宇宙……オーブとプラントは遠く離れている。
分かった上で、二人は離れる道を選んだ。
分かっていたけど、限界は来てしまった。



――会いたい。いますぐ、ミリアリアに会いたい。



思い立ったが吉日、ディアッカはすぐに、願望を行動に移した。

それほどまでに、会いたくて。
会いたくて会いたくて会いたくて……ミリアリアに連絡も取らず、オーブまで来てしまった。


「びっくりするだろうなー、あいつ」


アポ無しでの突撃は、彼女を驚かせたい、という思いもあった。
どうやって驚かせてやろうか……などと考えながら向かうは、ミリアリアの家。場所は話にしか聞いていないが、そこはコーディネーターの知恵を駆使し、迷わず無事にたどり着く。
すると、これまた良いタイミングで玄関が開いた。

出てくるのは、ミリアリア。長期で留守にするのか、大きなボストンバッグを持っている。

多分、また取材の旅に赴くのだろう。ちょっとでも着くのが遅れていたら、すれ違いで会えなかった――なんて、最悪な結果になるところだった。
自分の運の良さに、ディアッカは声に出して笑ってしまう。

「……誰?」

突然の笑い声を不審に思ったのか、ミリアリアは警戒心をむき出しにして、後ろを――ディアッカへと目を向けた。
そして、驚きに顔をゆがめる。


――やっぱり驚いた。


予想通りの反応に、ディアッカは満足した面持ちで、「よぉ」と片手を挙げた。懐かしげに、笑ったことを謝ることなく。
こんなことをしたら、彼女のことだ、怒って掴みかかってくるんだろうな……そんな風に思いながら、愛しげにミリアリアを見ていると――なぜか彼女は、眉間にしわを寄せたままつぶやいた。





「……あんた、誰?」




*前次#
戻る0