27話の衝撃から生まれたディアッカ振られ話



「元気? エルスマンとは?」
「ふっちゃった」
チャンドラの問いかけに、ミリアリアは笑顔で答えた。





もう一度逢うときは






「何考えてんだよ!」
「何であんたにそんなこと言われなきゃならないのよ!」

戦争が終わり、平和に向かう世界の片隅で、二人は痴話げんかともとれる言い争いをしていた。
連合とザフトの戦争を止めた後に待っていたのは、互いに歩み寄りを見せるナチュラルとコーディネーター……という図式だけではなくて。
長い間戦争をしていたのだから、すぐさま憎しみがなくなるかと聞かれれば、これまたそういう話でもない。
依然として、争っているところは多々ある。

だから思ったのだ。平和を願う人、争う人、そんな世界の色々な姿を写真に取り、沢山の人に見せたいと。


それを言ったら、何故かディアッカは怒り出した。


「危ないじゃんか、それ! 結局は戦場カメラマンってことだろ?!」
「うっさいわねー。いとも簡単に複隊した男に言われたくないわ!」
「簡単? どこが!」

売り言葉に買い言葉。こうなるともう、収集がつかなくなる。

「もー、あんたなんか知らない! 別れる!!」
「は?!」

突然の宣言に唖然とするディアッカ。
開いた口が塞がらない。

「ちょ……ミリアリア……」
「自分の思い通りになる彼女欲しいなら、他当たって!」
「え? え……え?!」

口を手で覆い、顔を赤くしたディアッカは――これ以上ない爆弾を投下してくれた。

「俺達……付き合ってたの?」
「最ッ低!!」


ばしっ!


思わずミリアリアは、ディアッカの映るモニタに拳を入れた――





……今思い出しても笑える話だ。あれだけ熱烈アプローチを受けまくった挙句、いつの間にか恋人同士になったと思っていたら、それは自分だけだったとは。
そりゃあ、「お付き合いしましょう」――とかって話は全く無かったが、気持ちは同じだと思っていた。



〈――だから、フッてやったのよ〉

カラン、とコップを鳴らしながら、静かに水を飲む。

でも時々会いたくなるのは……彼が心に住み着いて離れないから。
もし再びディアッカに会ったら――


「……なんて、あるわけないか」

再会を想像して、ありえない妄想を打ち消した。




-end-

結びに一言
水を飲んでいるのは、AAの食堂でしょうか……?(聞いてどうする自分)

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