視線の先にアレがある。 私達を守る守護神であり、命を簡単に奪ってしまう悪魔の産物。 その名は――ガンダム―― 視線の先に… あれを見てると、どうしようもなく悲しい気持ちになる時がある。 兵器。 巨大な兵器が目の前にあること自体、実感の持てない時期もあった。 自分が戦争の真っ只中にいるという自覚も、大切な人を失って芽生えた。 そしてまだ、私は戦争の真ん中に…… 戦場にいる。 でも、本当の先頭に立っているのは、パイロットであり、MAであり、MS。 私はいまだ実感の持てないまま、人殺しの片棒を担いでいる。 たとえ私がトリガーを引かなくても、戦艦に乗るのは、そういうことだ。 「…………」 これは自分で決めたこと。 自分で決めて、ここに残った。 でも――苦しい。 耐えられず、私は手すりに顔をうずめた。 |