「好きなの?嫌いなの?」 「周りに反発されても好きなヤツと結婚するか、あんまり関心ないけど定められた相手だから、って理由で結婚するか。どっちか選べって言われたら……どうする?」 「なに、いきなりその二択」 食器を下げながら、ミリアリアは冷たい眼差しをディアッカに向けた。 今、食堂にいるのは二人だけ。 隣のテーブルで食べていたノイマン達がいなくなったのを見計らって、ディアッカは喋りだした。 「俺にとっては、かなり切実な問題なんだよねー」 言う割に、頬杖をついたり、どうでも良さ気だったりと、イマイチ緊張感に欠けている。 だからミリアリアも、緊張感ゼロな答えを提示した。 「とりあえず、その選択肢出した人に、文句を言う」 「文句言って、どうにもならなかったら?」 「んー……」 思わぬ質問に、ミリアリアは言葉を詰まらせた。 眉間を人差し指で押さえ、一通り思案した後、 「……何で私が、そんな質問されなくちゃならないの?」 最初の疑問にたどり着く。 なぜそんな事聞かれなくてはならないのか。 淹れたてコーヒーをテーブルに置き、再びディアッカの向かいに座る。 「お前の返答しだいで、身の振り方変わるかもしんねーから……」 「???」 もっと分からなくなった。 「プランとってさー、婚姻統制引かれてんだよねー」 「こんいんとーせー?」 聞きなれぬ単語に、ミリアリアの首が傾く。 ディアッカは、座り直しながら言った。 「婚姻統制――要は、結婚相手が決められてるってこと」 「なにそれ」 思ったまま、言葉が出る。 「じゃ、好きでもない人と結婚しなくちゃならないって事?」 「プラントのルールに従うならな」 |