〜合流〜




『カガリ!!』

落下するカガリ。
悲鳴を上げるミリアリア。
そして――彼女の名は、ここにいるはずのない、第三者の声でも轟いた。
良く知る声。
それは、男達のいる反対方向の入り口から聞こえた。

――まさか。

ミリアリアは視線を走らせ――動きを止める。視界に青年が一人、飛び込んできて。
彼はこちらに走ってくると、途中で踏み切り、その身を宙に浮かせ、落ち行くカガリを受け止めた。
美しくも無駄の無い一連の動きに、ミリアリアは見入ってしまう。
流れる銀色の髪が、鮮やかさを一層引き立てている。

「無事だな?!」
「あ……ああ」

彼の腕の中で、カガリは呆然と呟いた。

「イザーク……お前、どうして」

――その名を。

「イザークって……」

ミリアリアも呟く。
ついさっき、電話越しで話したディアッカの友人の名を。
彼が――イザーク・ジュール。
……ディアッカから聞く話とは、人相が違う気がする。

「くそっ……何者だ!!」

こちらもまた呆然としていたのか――我に返った男たちが、小銃を構えた。

「ミリアリア、伏せて!!」

再度響く、聞き覚えのある声。カガリの名を呼んだ声の主は、叫ぶとミリアリアに飛びついた。

「――キラ?!」
「久しぶり」

声の主は――キラは、時と場所を考えると、到底正しいとは思えない「はにかみ」を見せた。
そして小銃が火を噴く。弾丸は直前までミリアリアのいた場所を撃ち抜き、イザークやカガリに向けても発射されている。
イザークはカガリを物陰に避難させると、男達に向かって走り出した。

「あ、危ない!」
「大丈夫だよ」
「でも――」

ミリアリアとは逆に、平然と見守るキラ。
彼の言う通り、イザークを心配する必要は無かった。軽々と弾丸を避け、男達の側まで走りこむと、まず一人目に膝打ちを入れ、よろけた所を脳天からの攻撃で悶絶させる。倒れる男から鮮やかな手付きで自動小銃を奪うと、業火を噴かせることなく、小銃を獲物に打撃戦を開始。これまた圧倒的な速さで、男達を伸していき……おかげで戦闘開始から一分かからず、辺りは静かなシェルターに戻った。

「……すごい……」
「ここ入ってから、ずっとあんな感じなんだよね。立ちはだかる人は全部なぎ倒しちゃって」

言いながら、キラは苦笑いを見せる。

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