〜真相〜




二人の他に、誰もいないはずの拘禁室に響く音。
おかしい。一体何がどうやって、物音を立てたというのか。
ゆっくり二人は、音のした方を見た。
山積みにされていた段ボールが倒れている。倒れた隙間には、白く小さな生き物の姿。そう、白くて、ちんまりしてて、尻尾が長くて……しかも数匹。
彼らはこちらに気付くと、かさかさと走ってきて――

「いっやああああああああああああああ!!」
「ねずみいいいいいいいいいいいいいい?!」

小さな身体の特権を生かし、檻の中に入ってきた白い生き物=ねずみの存在に、二人は大きな悲鳴と共に、力の限り手にする物=錠を引っ張った。



ばきんっ!!



それは火事場の馬鹿力か――金属の割れる音がして、扉もキイ、と音を立てる。
簡単に言えば、錠が壊れたのだが……壊した当人たちは、そこまで状況を把握する間もなく、

「やああああああああああ!!」
「勘弁してくれえええええ!!」

あらん限りの悲鳴を上げ、拘禁室を飛び出した。
なので――どこをどう走ったかなど、二人は覚えていなかった。

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