運命の再会


――今から思えば、運命だったんだと思う――





「先輩、これ、二手に分かれた方が良くないっスか?」


そう提案するのはヤナック。それが良い――と素直に頷きたいディアッカであったが、それは現状が許さなかった。
ここはデュッセルカンパニーの巨大倉庫。しかもまだ、軍はこの敷地を占拠できていない。下手に分かれて単独行動を取っては、危険に出会う確率がかなり高くなる。
だが、と頭を別の思考が掠める。
二人で同じ場所を探すよりは、分かれて二つの場所を探す方が、捕まえられる確率も高いのだと。

「早く見つけないと、隊長がうるさいですし」

これまた一理ある。
とにかく彼らは、問題を起こされる前に、身柄を保護したかった。
いや、しなくてはならない。これ以上は――危険だ。

「……仕方ねーな。俺、あっち探すから」
「じゃ、俺は向こう行きますね」


大きな通路の分かれ道で交わされた会話。
もし反対の道を指差していたら、この再会は無かったかもしれない。

やがてたどり着いた大きな格納庫に佇むデスティニーを見つけて。
デスティニーを奪還しようと、MSに乗り込んで。
そして、そして――……




ミリアリアと、最悪すぎる再会を果してしまった。







-ソラニマウヒカリ-
PHASE10−運命の再会







「これは、何?」

銃口を向けられてもなお、ミリアリアは怯むことなく、強烈な視線を与え続けた。
かなり怒っている。まあ、この状態で怒らない方がおかしいか。再会した途端銃を向けられては、怒りたくもなるだろう。
ディアッカはディアッカで、自分がどうしてここまで極端な態度をとっているのか分かっていない。事実、自分のやっていることに思考がついていかず、震えそうになる手に力を込めることに必死だ。

「これは何、って訊いてるんだけど」
「……任務中に、著しい妨害行為を受けた場合、それがいかなる者であっても、拘束、あるいは武力行使――」
「軍規を訊いてるんじゃないの」

怒りが頂点に達しようとしているのか、すでに達してしまったのか――ミリアリアの眉間に、一気に倍のしわが寄る。

「何であんたが、私にこんなことしてるのかって、訊いてるの」
「……んだから、俺は、お前に任務を妨害されちゃったわけよ」
「それにしたって、理由も聞かずにいきなりこれ?! ふざけないでよ!」
「ふざけてんのはそっちだろ」

感情を胸の奥に封じ込め、ディアッカは続けた。


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