幸せの足音


扉が開く音。
そして静かで小さな足音が近づく。
ディアッカは飛び起きた。

――彼女だ。

この足音は、あの少女のもの。
自然と顔がほころぶ。

ディアッカは牢でたった一人。
時々やってくる軍人とは、言葉もほとんど交わさない。
話すのは彼女だけ。
彼女の存在が、自分が生きていることを教えてくれる。

ミリアリアがいなければ、とっくに『自分』は壊れていたかもしれない。
彼女がいるから、色々文句を言いながらも、臆することなく接してくれるから、『自分』を保っていられる。

彼女に会いたい。
たとえ、彼女がふくれっ面で現れても。

俺は最高の笑顔で彼女を迎える――



from〜幸せの足音〜
結びに一言
6/30UP
種の部屋に置かれてる=『いいぶん』と同じ時間軸で。
話の流れは『いいぶん』冒頭→『幸せの足音』→『いいぶん』後半……てな感じ?

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