キラ&カガリの双子モノローグ 僕らのシンフォニー 最初に出会ったのは、戦場と化したヘリオポリスだった。 二度目に出会ったのは、砂漠の戦場。 三度目は、戦場と化す方向に傾きかけたオーブ。 キラとカガリは、戦いとなる場所でめぐり合い続けた。 戦いが二人を呼ぶように―― 「でもさ、あの時が初めてじゃない気がするんだ。私達、もっとずっと前にも、どこかで会ってないか?」 「うん……そんな気はするんだけど……よく思い出せないや」 カガリの問い掛けに、キラは笑ってごまかした。 どこかで会ってるはずなのに、洗練された記憶力を持っているキラでさえ、それがいつなのか思い出すことが出来ない。 はっきりしてるのは、二人が出会い続けている、ということ。 どれだけ、もう二度と会えない、と言ってしまえるような絶望的な別れ方をしても、二人は必ず再会する。 離れていても、お互いを感じることだってある。 ああ、今、カガリが傍に来てるなー……とか、不思議な感覚で、いつも二人は繋がっていて。 「お前が行方不明の時も、全然死んだって気、しなかったしな〜」 「ごめん、心配かけて……」 「良いさ。生きてるって、信じてたし」 申し訳なさそうなキラに、カガリは自信満々で言う。 「キラが『いなくなった』って感じ、無かったから」 それは、この世界から消え去ってしまった感覚。 「ぼくも……カガリが心配してるって、すごく分かってた。遠く離れてるのに、カガリが泣いてる姿とか夢で見たりして……早く帰らなくちゃって、思ったんだけど……」 「ははっ。何か私、愛されてるな〜」 カガリは笑って、キラを見て。 キラもまた、カガリに優しい笑顔を送る。 「ふしぎだな」 「不思議だよね」 「どんなに離れていても、私達は繋がってる」 「どんなに離れていても、僕達は感じ合ってる」 二人はどちらともなく手を差し出した。 合わさる二人の両の掌。 とくん、とくんと音が響く。 同じ、血の音。 それは、二人が奏でるシンフォニー。 -end- 結びに一言 ふんわりと、まだ双子と知る前のふたりをモノローグ的にお届け。 なんてゆーか、双子設定を強調したくて…… |