演習結果


先生について行き集合場所につくと、他の三人はもうそこにいた・・・・一人は丸太に縛り付けられているが
私達が来たのを気付いた三人はこちらを見、春野さんは私の甚平を持ちこちらに駆け寄ってきてくれた

「レイ!こ、これ・・・ありがと・・・」

春野さんがすこし気まずそうに甚平を渡してくれた
たぶん私の誘いを断ったことに後ろめたさがあるんだと思う・・・たぶん

「格好が違うと思ったらサクラに甚平貸してたのネ」
『ぅぇ・・・ぇえ、だ、誰かさんが、春野さんを気絶したまま放置するので・・・体冷やしたらあまりよくないから・・・』

そう私が言うと先生に顔をそらされた
まあ戦闘中とはいえ生徒を気絶させてそのまま放置したことに少し悪かったとか思ってるのかもしれない


春野さんから甚平を受け取りそれを着ながら丸太のほうに向かう

先に座った春野さんの隣に少し座らせてもらい、座ると先生が目の前に三つの弁当をおいた
皆の腹の音が鳴る、皆そんなにお腹すいてるのね・・・・
私は朝ご飯食べたし、まだ12時なのでまだそんなにお腹はすいていない
基本お昼は1時とかそれぐらいに食べるからね

「おーおー腹の虫が鳴っとるね君たち」

皆若干ゲッソリした顔している
一番春野さんが酷いんだが・・・
たしかダイエットやってるとかアカデミーの時聞いた(たまたま耳にはいった)気がするが、もしかして夜ご飯ぬいてたりするのかな・・・・?

「ところで、この演習についてだが、ま!お前らはアカデミーに戻る必要もないな」
「「「!!」」」
「じゃあさ!じゃあさ!ってことは四人とも・・・!」

うずまき君が嬉しそうに足をばたばたさせる
春野さんはばんざいしてるし、うちは君も嬉しそう
・・・でも、たしか皆落とされるはずだった気が

先生は笑顔で告げた

「・・・そう、レイを抜いた三人は、忍者をやめろ!」

皆がピタリと止まる
私も思わず止まる、いやいや、何故私をぬいた、いじめか?新手のいじめなのか?私だけとか逆に嫌だよ!まず何にも出来てないし・・・・

「忍者をやめろって、どーゆーことだよォ!そりゃさ!そりゃさ!確かに鈴取れなかったけど!なんでやめろまで言われなくちゃなんねェんだよ!!」

うずまき君が縄をちぎるかのように暴れながら叫ぶ
他の二人の表情も険しい

「どいつもこいつも忍者になる資格もねェガキだってことだよ」

先生がガキと言った瞬間うちは君の表情が引きつり、動きだすのが見えた
ちょ、さっき先生に負けたっぽいんでしょ!

今の先生に向かっていったら何をされるか分からない、うちは君と先生の間に入りうちは君を横になぎ払う
予想外だったのかうちは君はガードは出来ていたが横に吹き飛んだ
・・・力入れすぎたかも

「レイ!何して・・・!」

とりあえず元の場所に戻ろうとしたら先生にうつ伏せに倒され、背中を踏まれ腕を後ろに持っていかれ拘束された

『っ!』
「だからガキだっていってんだ」
「レイ!」

なんとか抜け出そうと身をよじろうとしてもがっちり拘束されて動けない
地味に苦しい・・・

「お前ら、忍者なめてんのか、あ!?」

急に先生の声が低くなり、思わず身が震えそうになるが抑える
このポジションものすごく居心地悪いんですけど・・・泣きたいです・・・・

「何の為に班ごとのチームに分けて演習やってると思っている」
「え!?・・・どーゆーこと?」

春野さんが全く分からないといった表情で先生に聞く

「つまり、お前らはこの試験の答えをまるで理解していない・・・」
「答え・・・?」
「そうだ、この試験の合否を判断する答え」
「だから・・・さっきからそれが聞きたいんです・・・!」

皆はまだ分からないらしい
えぇ・・・班とかチームとか単語が出たらもうだいたい分かるでしょ・・・

「・・・ったく」
「あーもー!だから答えって何なんだってばよ!?」
「それはチームワークだ」

皆の目が見開く

「四人でくれば・・・スズを取れたかもな」
「なんでスズ三つしかないのにチームワークなわけェ!?四人で必死にスズ取ったとして一人我慢しなぎなんないなんて、チームワークどころか仲間割れよ!」
「当たり前だ!これはわざと仲間割れするよう仕組んだ試験だ」
「え!?」
「この仕組まれた試験内容の状況下でもなお自分の利害に関係なくチームワークを優先できる者を選抜するのが目的だった」

あー・・・鈴が一個足りなかったのはそれか・・・

「それなのにお前らときたら・・・サクラ、お前は目の前のナルトやレイじゃなく何処にいるのかも分からないサスケのことばかり
ナルト!お前は一人で独走するだけ
サスケ!お前は三人を足手まといだときめつけ個人プレイ
任務は班で行う!確かに忍者にとって卓越した個人技能は必要だ、が、それ以上に重要視されるのは”チームワーク”・・・・レイはそれを理解してサクラに協力を呼びかけた、だがサクラはそれを断っただろ」

・・・そろそろ解放してくれないかな・・・
居心地悪いし体勢つらいし先生怖いし・・・

「チームワークを見出す個人プレイは仲間を危機に落とし入れ、殺すことになる、例えば・・・」

先生がポーチからクナイを取り出し私の首に突きつける
え、またですか・・・!

「サクラ、サスケ!ナルトを殺せ、さもないとレイが死ぬぞ」
「「!!」」
「え!?」

三人が困惑する

「と・・・こうなる、人質を取られた挙げ句無理な二択を迫られ殺される、任務は命がけの仕事ばかりだ!」

先生が私の上を退きながら喋る
やっと解放され、急いで元の座っていた場所に戻る
あぁぁぁ・・・怖かったぁぁぁぁ・・・・

先生が近くにあった名前が刻まれた石のもとに行き、石を撫でながら話しはじめる

「これを見ろ、この石に刻んである無数の名前、これは全て里で英雄と呼ばれている忍者達だ」

英雄という言葉にうずまき君が反応する

「それそれそれそれーっ!それいーっ!オレもそこに名を刻むって今決めたーっ!英雄!英雄!犬死になんてするかってばよ!」
「・・・が、ただの英雄じゃない」
「へーえー!じゃあ、どんな英雄達だってばよ!」
「・・・」
「ねえ!ねえ!」

先生が黙り、うずまき君は気になるのか嬉々として問いかける
無知と無邪気は恐ろしい

先生が重たい口を開く

「任務中、殉職した英雄達だ」

うずまき君の顔から笑顔が消える
他の二人も何ともいえない表情になる
・・・・皆この石のこと、知らなかったのかな・・・


「これは慰霊碑、この中には俺の親友の名も刻まれている・・・」

場がシンっと静まり返る

「・・・お前ら!最後にもう一度だけチャンスをやる、ただし昼からはもっと過酷なスズ取り合戦だ!挑戦したいやつだけ弁当を食え、ただしナルトには食わせるなよ」
「え?」
「ルールを破って一人昼飯食おうとしたバツだ、もし食わせたりしたらそいつをその時点で試験失格にする・・・ここでは俺がルールだ、分かったな」

先生はそう言い残すと何処かへ行ってしまった

「へっ!オレってば別に飯なんか食わなくったってへーきだっギュルルル」

・・・腹の虫鳴いてるよ


うちは君と春野さんが座り食べ始めたので自分も座り弁当をあける
が、それなりにお腹はすいているが我慢出来る程度

『・・・う、うずまき君』
「な、なんだってばよ?」
『弁当、あげる・・・』
「「え!?」」

うずまき君が驚きの声をあげたのは何となく分かるが、春野さんはどうした

「ちょ・・・レイ、さっき先生が!」

あー・・・それか

『ぁー・・・別に失格にされても、アカデミーに戻れるなら・・・またアカデミーからやり直してもいいし・・・それか先生を皆でぼこって認めてもらえばいいかなぁ・・・なんて・・・』
「ぼ、ぼこるってあんた・・・」

何故か春野さんに呆れられた顔された
だってぼこるしか言葉でなかったんだよ・・・


そう春野さんと話していたらうちは君も弁当をうずまき君に突き出していた

「サ、サスケ君まで」
「大丈夫だ今はアイツの気配はない、昼からは四人でスズを取りに行く、足手まといになられちゃこっちが困るからな」

そっぽ向きながらうちは君は言う
それを聞いた春野さんは意を決してうずまき君に弁当を突き出す

「へへへ・・・ありがと・・・・」

うずまき君は嬉しそうにはにかみながら礼の言葉を口にした


とりあえず縛られたままだと食べれないだろうと思い、縄を切るため丸太に近づこうとしたらいきなり大きな煙幕が立ち込め、その中から先生が凄い形相でこちらに向かってくるのが見え、思わず刀を鞘から出さないまま掴み構える

「お前らぁああ!!」
「!」
「うわぁぁあ!」
「きゃあああ!」
『っ!』

様々な反応の前、先生は腰に手をあて笑顔で告げた

「ごーかくっ!」
「・・・え?」
「は?」

急に現れ、合格と告げられ呆然としている中で一番に口を開いたのは春野さんだった

「合格!?なんで!?」
「お前らが初めてだ」
「え?」
「今までの奴らは素直に俺の言うことをきくだけのボンクラどもばかりだったからな・・・・忍者は裏の裏を読むべし、忍者の世界でルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされる、けどな!仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ」

・・・先生かっこいー

春野さんは笑顔で、うちは君も少しだが笑っていた
けど、うずまき君を見たら頬染めて先生を見つめていた
たぶん先生のこと尊敬しているとかカッコイイとか思っているんだと思うんだけど、どうしても脳内でホモォな発送になるのは私の頭が不純だからですか?


「これにて演習終わり、全員合格!!よォーし!第7班は明日より任務開始だ!」
「やったぁぁってばよぉ!オレ忍者!忍者!忍者!」
「帰るぞ」

先生がサッと帰り始め皆も帰り始めるから私も急いでその背を追いかける




後ろで誰かが縄ほどけとかなんちゃら騒いでる気がするけど、知ラナーイ


(合格しました)


 
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