子供体温があったかくて気持ち良い。湯たんぽを膝に乗っけてるみたいだ。

腹の打撲を少しかじった程度の医療忍術で治してから軽く自己紹介をしあって、それから膝の上にナルトを乗せて、きぃきぃ軽くブランコを漕ぐ。
約束通りナルトはチョコクッキーをさくさく、私はしょうゆせんべいをぽりぽり食べながら、二人で仲良くお喋りする。ナルトが私の膝の上にクッキーくずをぽろぽろこぼしてるのはこの際見なかった事にしといてやろう。

「それでその人はね、ナルトにそっくりな金髪と、きれいな青い目をしていたんだよ。だからナルトを見たとき、私すっごく驚いたの」
「おれも会える?」
「……ううん。今は、遠い所にいる人だから」
「そっかぁ……いつか、帰ってくるってば?」

自分に似ていると言う人間を一目みたいと目を輝かせながら、こちらを見てくるナルトに少し苦笑する。本当に帰ってきてくれるなら、この里にとってもこの子にとっても、どれだけ良いことか。

「……わかんないな。でも、ナルトならきっと会えるよ。私には無理だけど」

もっと君が大きくなって、九尾の封印を解くときに。一度だけ会えるよ、君のお父さんとお母さんに。
丁度胸の所にあるナルトの頭にこつりとあごをのせて、口の中でもにょもにょ喋る。くすぐったいってば!ときゃあきゃあ笑うナルトの声に、私は静かに笑った。



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