「やっほー朱里ちゃん!お久しぶり!」
「前田さんじゃないっすか、ポンチョのお兄さんの話はちゃんと聞きましたか?」
「ぽんちょ?なんだいそれ」
「えーと……こんな服です」
「ああ、猿飛かぁ。お説教されたけど、これ俺の意志じゃないんだ。気がついたらここにいんの」
「……私の部屋ってなんなんでしょうね」
「うーん……まぁ悪いものじゃないと思うけどね。あ、今日は塩を買いに来たんだ。前回のをまつ姉ちゃんに渡したら大層喜んでくれたからさぁ」
「そうですか、はい塩」
「助かるよ、はいお金」
「また金……もっと適当なものでいいんですよ?」
「いやぁ、塩ってのは料理だけに使える訳じゃないんだ。それでも安いもんだよ」
「そんなもんですか」
「純度がいいから金の変わりにもなるよ」
「いまいちピンときません」
「これだけいい塩をつくる所だもんね……あと今日はもう帰るよ。夢吉が待ってるんだ」
「置いてきたんですか?珍しいですね」
「あいつ、いま風邪引いてるんだよ」
「あら……じゃあバナナ持ってってください。余ってるし、夢吉くん好きですよね」
「ありがとう!あいつ喜ぶよ。それじゃ」
「はい、さようなら」