「限界だったんです。予想外に塩と砂糖が重くて……」
「そっかぁ」
「うう……佐助さんすみません……」
「うんうん、話が途中から変わるのは良くも悪くも朱里ちゃんって感じだからね。この短期間で理解してるから気にしないでいいよ」
「流石佐助さん……その全てを抱擁する母性……佐助さんは歌のお兄さんとかに向いてますね。めざせひろみちお兄さんです」
「ごめん、それは話変わりすぎ。全然わかんない。しかもお兄さんなのに母性っておかしいでしょ!」
「いいツッコミですね、お笑いグランプリにでましょうか。私達なら客席に群がるお客さんをどっかんどっかん爆発させられますよ」
「朱里ちゃん落ち着いて!お客さん爆破しちゃ駄目だから!」
「笑いは爆発させてなんぼですよ、芸術だって爆発なんですから」
「俺様それは違うと思うな……」
「でもデイダラさんが言ってましたよ」
「誰?」
「両手の平にこう……口が付いている片目のイケメン金髪さんです。爆発が大好きでいっつも仮面ライダーの録画を私に頼んで去っていきます。ファーストコンタクトはドアの爆破でした」
「爆破……?朱里ちゃんの交友関係ってさぁ、凄いよね」
「私もそう思います、一癖も二癖もある奴らばかりです」
「類は友を呼ぶって奴かね」
「……それ佐助さんも入ってるんですからね」
「んー、でも俺様比較的普通じゃない?」
「忍者って時点でアウトです。1から10までで表すと7ぐらい」
「7ねぇ…………10はなんなの?」
「球体」
「えっ」
「ピンク色の球体です」
「それって生き物なのかな?」
「ふにふに暖かかったですよ。低反発まくらのようでした」
「そ、そう………朱里ちゃんってなんか何にでも動じなさそうだね」
「私にだって怖いものはありますよ」
「何?」
「幽霊」
「えっ」
「幽霊です」
「朱里ちゃんは常に想像の斜め前をいくね。本当に幽霊が怖いの?平凡すぎる」
「………逆に佐助さんは私のことを何だと思ってるんですか」
「何事にも動じない岩のような人間」
「うん、少なくとも女の子に言う言葉ではありませんね。佐助さん、貴方は女心を勉強すべきです」
「しなくても女の子は俺様によってくるけど」
「くそっこれだからイケメンはよぉ!」
「ちょっ!やめて朱里ちゃん!殴んないで!」