「畜生、イケメンは何を着ても似合いますね」
「……なんか、下半身がめちゃめちゃ絞めつけられてる気がする」
「きついですか?」
「いや……ただ履きなれてないだけだと思う」
「そですか。じゃあそのほっぺと鼻の緑も落として下さい」
「お水かしてもらっていい?」
「はい」
「ありがと」
「佐助さんはちゃんと御礼が言えたんですね、偉い偉い」
「馬鹿にしてんの?」
「ファーストコンタクトがどうだったか思い出してみたらどうですか」
「だから南蛮語はわかんないって」
「えー、初対面です初対面」
「あー、まぁ、あの時は申し訳なかったとおもってるよ」
「本当ですか?」
「……うん、傷もつけちゃったし」
「そうですか、ご褒美にアイスを買ってあげましょう」
「あいす」
「ひやっこくておいしいですよ」
「夏につめたいものなんてあるの?」
「ええ、人類は快適に過ごしたくて頑張ったんです」
「ふーん」
「さぁ出かけますよ。わかんない事があったら変なことする前に私にきいてください」
「了解」
「そこらの女の子に彼氏ー?ってきかれたら従兄ってこたえてください。それかワタシニホンゴワカリマセーン」
「わ、わたしにほんごわかりませーん?」
「あ、駄目ですね。完璧日本語ですわ。大人しく従兄か彼氏って言って話会わせといて下さい」
「彼氏ってなに?」
「お付き合いしてる人ってことです。うざったい女子につきまとわれたくなかったら私とどっちかのふりをすることですね。無駄に顔が整ってるとめんどくさいんでした、忘れてました」
「ここまでしといて何だけど、俺様いないほうがいい?」
「いいえ?振りだけすればいいんですから問題はありません。さあ佐助さん!気合い入れていくぞ!」
「は、はい!」