飾らないバースデイ 「ん」 「なに? どったの?」 「ん、」 「なにこれ、くれんの?」 「んん!」 「わかったわかった! イタダキマス。開けていい?」 「……ん」 「?」 「……」 「わあぁ。チョコ詰め合わせだ」 「……」 「バレンタイン、じゃねえし」 「!?」 「ハロウィン、は、まだだし」 「!」 「なんで?」 「へっ!? あ、アレだ、テメーが涎垂らして喜びそうだなァってのを、たまたまだぞ!? たまたま見つけたからであってわざわざ買いに行ったりしたわけでは」 「えーでもこれ、この辺じゃ売ってねーんだけどなあ。ネット通販くらい?」 「だっ!? だから、ネット見てたらたまたまだ! 俺はいらねえけどテメーはこういうの好きなんだろ!? だから、つい」 「クリックしちゃったんだ」 「うっかりな! アブねーなネットの買い物って!」 「そっか」 「おう」 「じゃあ遠慮なく」 「……ぁ、」 「ん?」 「いや。なんでもねえ」 「……」 「美味いか」 「うん」 「そうか」 「ちょっとどういうことアルか。あんな盛り下がった誕生日見たことないアル。マヨラーか。マヨラーがいけないアルか。そうアルな」 「それ以外に何があるってんでィ。見たか? 『ん』って突き出す奴があるかィ。旦那もリアクションに困ってらァ」 「あの、主らあの二人をくっ付けたいのか別れさせたのかどっちでござ、」 「「面白いほう」」 「でござるよなー! 晋助ェここに悪魔が一匹増えたでござるよー!」 「で、その高杉はどうしたんで?」 「あそこでござる」 「土方ァ。もう少し何とかなんねェのかテメェ」 「げっ高杉!?」 「んー? どしたん、高杉まで」 「銀時。今テメェがもっさり食ってるそのクソ甘ェ菓子だがな。そいつァ俺が土方に」 「わあああああ!? なんでもないなんでもない」 「入れ知恵してやってテメェの好みのメーカーの」 「「あああああああ!? 聞く」 言う」 なバカ杉ィィィィ!!」」 「はァ?」 「ちょっとコッチ来い!……テメっ、ネタバレしねえって約束だろうが!?」 「テメェの演出があまりにしょっぱいんでな。それにあのチョイスはテメェにゃ高度過ぎてバレんのァ時間の問題だ」 「しょしょしょっぱいってどーいうことだゴラ!? ちゃんと渡せたからいいだろうが!? あァ!?……って、坂田」 「はいはーい。交代ね。土方は元の場所に戻ってて?……オイ高杉余計なこと言うんじゃねーぞ」 「ハッ。どうせわかってんだろうが」 「マジでわかりませんでしたー! 照れ屋さんにもほどがあんだろアイツってばもう、何アレ誕プレのつもり? そうだよね? オメーがけしかけたの? あ、ブツの相談されたとか? あ、そーゆうことねそんでアイツ頑張ってネットで検索して通販してくれたんだ、でも言えなくてあんなんなっちゃってんだうわぁ可愛い」 「言うんじゃねえっつか、言わせねーっつう執念なら感じるんだが俺は答えてもいいのか」 「イヤイヤ。言うな言うな。言わなくてもわかる。どうよ俺ってば愛されてんだろ? ちょ、すごくね? あの土方に愛されてんだぜマジすごくねどんだけスゴいかっつーとマジスゴい、羨ましいだろ? ざんねーん土方くんは俺の恋人です!」 「羨ましくもねえし言わなくていいなら言わねえから手ェ離せ」 「なに? なに? 妬けちゃった? 当てられちゃった? 河上くんに慰めてもらえば? ひーっひひひ十四郎には敵わないもんね! 早くどっか行けば俺と十四郎の空間を邪魔しな……いってー!?」 「ククッじゃァな銀時、せいぜい土方に上手いこと言い訳するんだな!」 「えっ。あ、十四郎!? 浮気? イチャイチャ? 俺と高杉が!? なんで!? 今ここでベタベタしてたって!? 違うよ違うから! 待ってちゃんと話聞いてェェェ! とうしろォォォ!?」 「お前らこそ銀ちゃんとマヨラーくっ付けたいのか別れさせたいのか、どっちネ」 「「「成り行きだ」 でござる」 でィ」 「そうか。お前らぐるアルな」 前へ/次へ 目次TOPへ |