久しぶりにその店の暖簾をくぐり、席につく。女主人が土方を認めて声を上げる。よく無事だったなと言うと主人はお互いにね、と笑って土方の前に見覚えのある酒瓶を置いた。ごと、と重たい音がした。

「割れたのもたくさんあったんだけどね……土方さんのは無事だったのよ」

 重い。重過ぎる。
 くらり、と目の前が傾いたような気がした。





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