どうしてこうなった


ななこの銀土は押入れで致そうとしたら酸欠で気絶してしまったので初夜失敗しました
#推しCP初夜失敗
shindanmaker.com/865361




 神楽を恒道館で預かってくれと土下座され、やむなく二人で帰った翌朝。当然だが神楽と出勤することになるわけである。玄関先で神楽が呼ばわる。

「銀ちゃん! どんな女連れ込んだネ、いっちょ私が判定しちゃるヨ」
「やめなよ神楽ちゃん、まだ相手の人いるだろうし……失礼だよ」

 常識的な言葉で神楽を宥めながら、心の中は荒れていた。
 だってここは三人の場所だったのだ、ずっと。
 新八と神楽と、定春も入れたら三人と一匹で、乏しい食糧を分け合ったり、ちょっと懐があったかいときは豚肉のすき焼きを取り合ったり、てんでバラバラにごろ寝しながら同じテレビを見たり……あれ、ロクな思い出ないな。でも、そんな碌でもない思い出でも、三人一緒だったから笑って思い返せるのだ。
 それなのに、銀時は神楽を追い出した。
 最近浮かれているのは知っていた。神楽がいち早く気づいて、どこの女にたぶらかされたネ、と突っ込んだら気持ち悪いくらいニヤニヤしたくせに口を濁した。今ならわかる。アレは追求してほしかったんだ。イヤそっちが曖昧にしたんだろ。なんでもう一回聞かなきゃいけないんだよ、つーか聞きたくねえよ。
 というわけで、新八はかなり冷ややかに銀時の変貌ぶりを見守っていた。そこへ持ってきて、神楽を恒道館で預かれ、との要望。そりゃあ腹も立つというモノだ。
 神楽のほうは、口では文句らしきことを言いながらもどこかウキウキと、銀時の相手を探しにかかる。新八は気が進まない。顔を合わせて、自分の嫌な感情が隠せなかったら相手の人に悪いと思う。銀時のことは腹立たしいが、相手には関係ない話だ。むしろ銀時に振り回されて迷惑こうむってるんじゃないか。申し訳ないとさえ思う。
 思うのだが、万事屋とはそんなに広い空間だっただろうか。大の大人二人、うち一人は体格のいい男だ。探さなければ見つからないような、小さなブツだっただろうか。

「銀ちゃあん? どこ行ったアルかまったく」
「おかしいね。カノジョ送ってってるのかな」

 二人に会わせるのを嫌って、朝早くに相手を送り届けるため出かけたのだろうか。あのグータラが。昼頃まで寝ているのがデフォなマダオが。
 それなら部屋の片付けでもしておこうか(神楽が面白半分に入ってとんでもないモノを見る前に)、などと思い、銀時の部屋に入る。布団が二組仲良く並んでいるのがまた腹立たしい。周りに散らばっている服も、どうかと思う。
 え、服?
 じゃあ銀時は今、何を着ているのか。他のズンボラジャージは洗濯中じゃなかったかな。ちょ、これパンツ? どういうこと?
 ていうか、この黒い長着は誰の? 銀さん黒なんて着てたっけ?

「げっ」
「神楽ちゃん!?」

 いつのまにか入り込んでいた神楽が押入れを開けて、閉めるところだった。

「どしたの」
「お前は見ちゃいけないアル新八、ドーテイにはまだ早い」
「なにが?」
「見ないほうが身のためアル、ていうかもう見たくないから私向こう行ってるネ――あ、ここ開けとかないとダメそうだからちょっと開けとくけど、見るんじゃないアルよ」

 あんなに張り切っていたのにすっかり浮かない顔で神楽は出て行く。そう言われたら見ないではいられないじゃないか。銀さんのこれ見よがしな恋バナとは訳が違うもの。


 しかし新八が押入れの襖を引いて発見したものは、銀時のこれ見よがしな恋バナのなれの果てであった。


「ちょっとォォォオ!? 銀さんはとっくに見損なってましたけど! 土方さんアンタなにやってんですかーーーッ!?」



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初夜ってか、明け方?



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