まだですか?


「おいメガネ。いいとこで会った」
「あ、土方さん。僕も土方さんにお願いが」
「その前に姉貴に伝えろ、近藤さんにバレンタインの返礼、なんかしてやれって。くれねえって拗ねてすげえめんどくさい」
「ええ? なんで姉上が? 近藤さんがお返しくれるならわかりますけど……」
「なんだ聞いてねえのか。確かに先月義理チョコらしきモンもらって帰ってきたけどな、それはきっと営業だろうからって近藤さん、自分でお前の姉貴に逆チョコ用意したんだぞ、俺も一緒に選んでやったから間違いねえ」
「土方さんが? チョコを?」
「近藤さんだけじゃ見当違いなモン買ってきそうだろ――そこはどうでもいいんだよ。そういう訳だから、てめェの姉貴にとっちゃ数いる客の一人だろうが、日頃かなりの金ツッ込んでんだ。少しくれえ返してもバチは当たらねえだろう」
「えっと、土方さん? チョコ買いに行ったならそのときついでに銀」
「今月はテメーの姉貴が近藤さんになんか贈る番だろう。無理な話じゃねえと思うが」
「そこはわかりましたけど、土方さんは? お返しとかしないんですか?」
「なんで俺の話になるんだよ。近藤さんとお前の姉貴の話だろうが」
「それは、まあ、そうですけど……あの、銀さ」
「少しくれえ日付が過ぎても近藤さんは気にしねえから。なんでもいい、コンビニの菓子でいいからくれてやれば気が済むから」
「はあ……」


「銀ちゃん、諦めるアル。アイツは焦らしてるつもりも何にもないネ、自分が銀ちゃんにお手製チョコもらったことなんか忘れ去ってるヨ。それよりゴリラの泣き言宥めるのに夢中アル、銀ちゃんなんか眼中にないヨ――え? 話の最中にチラチラこっち見てる? 絶対ワザとだ? ふーん……まあ、銀ちゃんがそう思いたいならそうすればいいアルよ。ぺっ」


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お題に沿わないけど、たぶん土方さんは
帰り道でやっと新八のお願いに気づくよ。




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