おまけ1 テスト対策


「坂田……」
「ん? なに土方」
「オイ銀時、テメェは今俺としゃべってるんだから俺のほうを見ろ」
「やだね、だって俺はオメーに話しかけてたけどオメーは河上くんとしゃべってただろ、俺要らねーだろ」
「今さら万斉に妬いても遅いぜ銀時ィ」
「イヤ妬いてないから。むしろ清々してるから。オメーに粘着されていかに苦労したかって話をオメーに聞かせてたつもりだったんだけど通じてなかった?」
「わ、悪ィ俺あとにする……」
「わーー!? ごめんね土方! コイツはいいから。ほっといていいしなに一つ信じなくていいから。ただの我儘ボンボンだから」
「いや、でも、」
「我儘ボンボンたァご挨拶だな。そのボンボンについ最近までくっ付いて回って昼飯タカッたり宿題写させてもらったりしてたのァ、誰だろうな」
「くっ付いて回ってたのはオメーだろ!! 古い話持ち出すんじゃねえ! それに最近は土方に見せてもらってますぅ、そろばん塾じゃ限界ですぅ」
「テメェ! そろばん塾馬鹿にすんなよ」
「だいたい代わりに英語見せてやっただろ、貸し借りはナシのはずだろ……って、どした? 土方」
「え? あ、いや別に!? たっ高杉も数学得意だもんな……」
「えーでも土方のノートのほうが分かり易かったし? 高杉ってときどき途中式すっ飛ばすんだよね、自分はわかってるからって」
「高杉のノートだろ、わかってれば書かないだろ」
「土方のはきっちり全部書いてあるじゃん。そしたら俺でもわかるし」
「それは、土方も全部書かないとわかんなくなるからではござらんか?」
「そんなことありませんんん!! 土方くんはなんでも出来るんですぅ! おめーは高杉のお守りしてろハゲ! ツンツン頭! ヘッドホン野郎!」
「ハゲはツンツン頭になれんでござるが、まあいい。ささ晋助、バカはほっといて拙者とこちらへ」
「ふざけんな俺ァテメェの指図は受け……ちょ、待て! ぎゃあぁぁあ銀時ィィィ……」
「ふう、いなくなったいなくなった。ったくうっせーのなんのってアイツ、ごめんね土方。アイツ昔っから馬鹿でさぁ」
「そ、そうか……つき合い長いんだったな」
「ええッ!? つき合ってないから! あんなんとつき合ったこと一回もないからね! 誤解しないでお願い」
「ええ? ああ、そりゃわかってるけど、そういう意味じゃねえ」
「俺がつき合ってんのは土方くんよ!? え? そこんとこ曖昧なかんじ!?」
「バッ……!? はははは恥ずかしいこと言うんじゃねえ! それより俺は用事があってだな!」
「恥ずかしくねえよソコ大事なトコだよ! つき合ってるよね!? 大丈夫だよねぇ!?」
「うっせーよ人の話聞け! こ、今度の英語のテストな……リスニングが、あの、むむむ難しくて、」
「ん? あー……そっかな。いつもとあんま変わんねーような……」
「難しいんだよ! そんで、テメーはいつも英語の点いいだろ、だから、アレだ、その、おおお、おたまじゃくし」
「えっ」
「お、おおおしおしお」
「?」
「……やっぱりいいわ」
「? そういやテストと言えばさあ。数学もあんじゃん。あれこそ難しいわ」
「あ、え? あれこそそうでもない気が……」
「ね、教えてよ。一緒に勉強しよ」
「!」
「あっ、部屋とか行くのイヤだったら図書館でもいいし! またマックでもいいしさ、」
「……」
「だめ……?」
「貸しだぞ」
「え」
「数学教えてやるから、貸しイチだぞ」
「お、おう……」
「俺の英語もなんとかしろ。そんでチャラにしてやる」
「チャラとかじゃなくて一緒にやるのに。つき合ってんなら貸し借りとかないだろ」
「〜〜〜!」
「テスト対策一緒にやろ。そしたらお互い教えっこできるから」
「……おう」
「いいの?」
「あ、当たり前だろ」
「! どこでやる? やっぱ部屋はイヤ、だよね?」



「別にいいぞ、俺んち来るか?」



「ま、マジで!?」
「あ、近藤さん呼んでいいか? あと総悟に数学教える約束してるから一緒でもいいか? 山崎の日本史……」
「土方くん、俺らホントにつき合ってる? ねえ、そこほんと大丈夫?」
「なにが?」




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