理解不能


「銀時はいるかい。万事屋だけど」
「いますけどちょっと待ってて貰えます? や、あの睨んでもアレです俺は万事屋さんのためを思っ」
「俺の利益は俺が決める。睨んでねーぜ、元からだ」


「……て、ちゃんと断って入ってきたんだがな」
「それ断られたよね、ちょっと待ってて貰えます?って言われたのに待たずに通ってきたよね。まあいいんだけど。特に俺は問題ねーけど用事は何」
「いつまで俺ァ万事屋やってりゃいいのかと思ってな。様子を見に来たんだが、こらァ俺もお前も永久就職的なアレか」
「まあそうだね。おめーが万事屋代わってくれるんなら、もうおめーらでやってくれていいよ。神楽は親父に着いて本格的に修業するっつってたし新八は道場復興するそうだし、片手間に手伝いに行くのしんどいってこないだ言ってたわ」
「ふん。ガキどもに手伝わせる仕事なんざァ、金にならねーから請けねェよ。ウチは万事屋銀ちゃんなんて生ぬるい商売じゃねえ。万事屋晋ちゃ……」
「ああハイハイ、それ以上はココでは言わないでくんない。俺にも一応立場ってもんがあるから。俺の知り合いが裏稼業してるとか明言されちゃ困るから」
「テメーが明言しちゃ世話ねェな。まあ、聞かれて困る人間もその辺にゃいなそうだが」
「ダイジョーブだろ副長室は常に人払い状態だし。用事ある時は内線代わりにケータイ鳴らしてくるからね」
「じゃあ、俺がその辺で大声で……」
「やめてくれる。そんなに俺に捕まえて欲しいの晋ちゃん」
「ふん。口止めしたかったら今なら大負けに負けてベロチューで勘弁してやるぜ」
「えー。歯ァ磨いた? 納豆とか食ってきてねえ?」
「テメーの妙な飯よりゃァマトモなモン食ってきた」
「じゃあしゃあねえな。ちゅーだけでいいのかよ。今なら出血大サービスで乳首くらい……」


「やめろ! 銀時に、触るなァァア!」


「あ? おー忘れてたわ。いたの十四郎」
「俺ァ最初っから気づいてたぜ副長どの」
「万事屋ァァア! テメェ俺の銀時にっ、なにしやがんだ! ていうか裏稼業ってなんだ、何やってんだキリキリ白状し」
「は? なに言ってんだおまえ。今おめーは人間じゃねえんだよ、万事屋さんも言ってただろ『人間はその辺にゃいない』って」
「だいぶ省略しやがったけどまあ、そういう意味で言ったな、俺も」
「ほら見ろ。なのにおめー、なに人語理解して喋ってんだ。尻尾動かして欲しいか万事屋さんの前でよ」
「あっ、やだ、動かさないでェェエ! あああッお尻ビリビリしゅるぅ……っ」
「だから人語喋るんじゃねえっての、尻ぶっ叩いてやるからこっちに出せ」
「にゃ、にゃあああああ!? ヒィィイ……ッ」

「あ、悪い悪い晋ちゃん。話の途中だったねー、で、ベロチューだけでいいの? 乳首くらい弄ってあげるけど」
「にゃ……にゃだ、しゃわるにゃぁぁ」
「オイ猫がなんか言ってるぜ? 俺としちゃあ乳首触るくらいなら最後までシろよってかんじだけどな」
「マジ? ちょっとこの猫キッツイお仕置きがいるんだよねーなにしようか考えてたとこだったんだけど、久しぶりにヤる?」
「にゃあああ! にゃ、にゃあ……ん」
「いやアレ見たらさすがに萎えるわ。万斉もうるせえし、今日はベロチューで勘弁してやらァ」
「だってさ。良かったね十四郎。万事屋さんが本気出したら酷いことになるからね。いい子にしてるんだよ? わかった?」
「にゃ……ぐずっ、にゃあっ、にゃだ、にゃあ……」
「晋ちゃん、ハイどーぞ」
「じゃあ遠慮なく」


ちゅーーーッ、ぶっちゅーーーっ、


「んぐ、んんう、ぷはっ、にゃ、にゃああ! うぅぅ、ひぐっ、えぅっ酷えよ銀時ぃ……」
「じゃ、頼むぜ高杉。当分連絡してくんな」
「クククッ、言い出したのはテメーだぜ」
「いいから帰った帰った――十四郎、」
「にゃ、にゃあ」
「俺の前ですんなり別の男とキスするたァ、覚悟はできてんだろうな」
「にゃッ!? おれっ、したぐながっだのにおまえが勝手に……ああぁ! と、とめてくだざいおしりっおしり壊れぢゃうぅぅう! あああああ!」
「尻尾ウネウネさせて、首輪チリンチリン鳴らしてよ。すっかり猫だな。この猫耳、本物だったら千切ってやるとこだ。わかってんのか」
「わがんにゃいィィイ! ぎんときがっよろじゅやしゃんとキスするのもヤダ! おれがっほかのおとことするのもヤダァァア! ああぁアァアアア! おしりあちゅいよぉぉお! とってぇぇえ! お願いぃぃ」
「人語しゃべんなっつってんだろがこの猫が。人間様とキスできるようなこんな口は、いらねえよな? 猫のくせに生意気なんだよ、これでも咥えとけ」
「やっ、バイブやだぁぁあ! むがっ、うぐッゲホゲホッ、やら、咥えるなら、ぎんときのが」
「猫のくせにヒトのこと銀時とか言うんじゃねえ。ご主人様だろーが。ああ?」
「あっ、ご、ご主人様のっ、おちんぽ舐めさせてくらはい……バイブ、いやにゃ」
「ダメだ。しばらくコレ咥えてろ」
「にゃああ! んぐっ、ごほっ、げぇ」
「下手くそ。こんな下手くそな猫に俺のなんざ咥えさせる訳ねえだろうが」
「あっ、うう……んむ、ちゅぱ、ちゅう、ぅぅう」
「よしよし。しばらくそれしゃぶってケツも、マックスにしといてやるから」
「んんんん!? んっ、んぐ! んぅ、んんッ」
「それで一人で反省してろ――あ、ジミーくん? 高杉帰ったから、続きの書類持ってきて。あ? 土方? 今日は仕事なんざ一切させねえから。なんかあったか? 今日は土方の仕事も全部俺んとこ持ってこい。とりあえず昨日の討ち入りの報告書だ。は? なに言ってんだ、テメーが俺の部屋に持ってくんだよ、じゃなきゃ意味ねえだろ」




「ひくっ……んむ、ちゅう……ひくっ、うぅぅ」
「よし、書けたっと。土方副長。おめーの無茶のせいで俺、こーんなに書類書かされる羽目になってんだけど、わかってる?」
「うう……ぐすっ、んう……」
「別に書類書くのは構わねーよ。テキトーにやっつけりゃいいし。おめーはクソ真面目に書くから時間かかるけど、上に通りゃいいんだろ、そんなんサラサラッとやるから俺はいいんだよ」
「ひぐっ……んちゅ、んん」
「おめーのほうだよ土方。なんで一人でやろうとすっかなぁ? 昨日のはダメだ。あと十五分もしねえで俺が行くって、わかってただろ? なんで待たずに討ち入りしちゃうの」
「うう……にゃ、」
「そっちの戦力が足りねえとは思ってねえよ。でも、増援が来るってわかってて、なんで待たねえ。おかげでしねーでいい怪我こさえて、」
「にゃあ」
「しばらく猫になってろ。猫なら刀なんざ持たずにゴロゴロしてりゃいいんだ。人間様に可愛がられてッ、ぬくぬくしてりゃいいだろ! 高杉にちゅーされてキモチかったか? ああ!? 無駄に長えキスしやがって、他の男の味はそんなに美味かったかよッ!」
「にゃっ! にゃあああ……」
「クソッ――おい山崎! 書類出来たから取りに来い、つーか部屋入ってくんな。廊下出しとくから勝手に取ってけ」
「にゃ?」


「とおしろう。おいで……手、解いてあげるから」
「にゃあ……」
「ごめん。猫ごっこも終わり。ちゃんと、喋って」
「ご、ご主人、しゃま」
「ぎんとき。銀時、だろ」
「ぎんとき……っ、ごめ、おれ、銀時、待てなかった、んじゃにゃあ」
「待てなかったんじゃないの?」
「ないんだ……銀時が、浪士斬るとこ見るのが、辛くて、ごめんな、おれ、の勝手なっ、感傷ぉ、なのに……昔の、仲間かも、しんない、だろ」
「十四郎」
「俺が片付ければ済む、なら、そうしよ、と思って……ごめん、お前をっ、信頼してねえ訳じゃ、にゃあ、けど」
「ないけど?」
「俺が、見てらんなくなる。たまに。昨日がそうだった」
「……」
「ぎんとき、無理してねえ、か?」
「……ないよ」
「ほんとに?」
「たぶん、ほんと」
「たぶん?」

「自分でもよくわかんねえんだよ。おめーのことになると、どうしてえのか、どうしたらいいのかわかんねえ。高杉やジミーにおめーの裸見せつけてやりたくなるし、目の前で高杉にベロチューかましてお前の悲しむ顔見てえし、やっぱりそれより無理やり他の男にちゅーされて泣くとこも見てえし、見たら見たで腹立つし、カラダ見られたのもムカつくし、どうしていいかわかんねえ」
「そっか……」
「ごめん。辛かっただろ、酷いことしたよな俺」
「謝んな、いいんだ」
「十四郎……」
「俺のために悩んでくれたんだろ。俺もおんなじだ。だから、わかってる」
「……とおしろう」
「好き。銀時」




「ってのを聞かされたのは、旦那の計算に入ってるんですか。どうなんですか同じドSとして、沖田隊長なんとか言ってください。見せられたのは計算でしょう、それくらいわかりますけど取りに来いって言っといてアレはなんですか。聞かなきゃいいとか言わんでくださいよ、俺だってサッサと引っ込みたいけど坂田副長の書類って早かろう荒かろうなんで、その場でチェックしないと後で酷い目に遭うんです。ちょ、真面目に聞いてくださいって! 俺ノーマルなんで坂田副長の心理なんか知らないし、イダッ! アダダダ、アンタがドSなのは明らかじゃないですか八つ当たイダダダダ! 暴力反対ィィイ!」


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沖田隊長だって知らないし
知りたくもありません(笑)



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