あなたの名が、


※高土あり、友情出演キレイな陸奥。
はぴえんかどうかは努力次第





 俺と土方は契約を結んだ。

 衣食住は俺持ち。ただし、土方が身体を売って得た収入の一割は家賃として俺に収めること。
 何しろ土方のために一軒家に引っ越したのだ。マンションで本格SMは難しい。下手すれば通報ものだ。

 俺は「ご自宅用拘束セット」なるものを購入し、土方が家にいる時はそこにくくりつけておくことにした。M字開脚も大胆に、枠に嵌められた手枷で土方を吊るし、首輪、膝を拘束する結束バンド、足がつくかつかないかの高さで調節した鎖の長さで、丸一日土方を吊るしておく。

 排尿はカテーテルで、排便は呼ばれれば湯冷しか、下剤を注入してやる。俺の前で派手に失禁することにも互いに慣れた。最初から土方は羞じらいもせず喜んでいた。うんちいっぱい出た、お腹キレイになった。これでいろんなちんぽもらっても大丈夫だ。ありがとう、

「銀時さん。キモチかった……」
「しばらくこのままにしとくか」
「だめ。カラダに臭いがついたら俺の商売上がったりだ。早く風呂まで運べ」
「いい気になんなよ」
「今月の金、減ってもいいのかよ」
「チッ。おらよ、風呂まで糞垂らすな」

 実際土方は月の半分は外泊する。帰ってくると、鞭の痕をくっきり付けていたり、アクセサリーが増えていたり、尿道口にピアスをして帰ってきた時にはかなりドン引きしたが文句は言わなかった。
 互いの仕事に口を出さないのも、俺たちのルールだったから。
 俺も改めてピアスを開けさせた。もう自分でするのは面倒だし土方、いやとおしろうもホールを開けるのに手間取らなくなったから、俺は眺めるだけで場所を指示し、たとえば性器の裏筋や、会陰に沿って一列に五連のリングタイプとか、開ける時に痛がるのを見て興奮し、それを見られてさらに興奮する土方と、成り行きでセックスもした。
 土方は俺を『銀時さん』と呼んだ。客に向ける媚びではあるが、そこには少なからず嘲笑の色合いが混じっていた。
 だから俺もとおしろうの心を包むのはやめた。大切にするという密かな誓いは、とうに捨てた。

「今年の生徒もさあ。また来てるよ、テメーみてえのが」

 卒業前に一度でいいんです、抱いてください。ずっと好きでした。
 思い詰めたように告げた男子生徒を、俺はかつての土方のように品定めした。顔は良し。身体は脱がしてみなければわからないが、運動部ではなかったから華奢かもしれない。初めてではないと言っていた。他の男を俺に見立てて何度か寝たが、最後にどうしても、と。

「へえ、そうなんだ」

 今日はすぐ出かけるから、服着ててもいいかな。と土方が言うので好きにさせた。土方は念入りに陰毛を剃り上げ、ピアスホールを消毒し、手早く嵌めていく。今日の客はせっかちのようだ。アナルにはすでにローターが仕込まれてあり、土方は自分の楽な位置に時々その位置を変える程度で、感じ入って勃起させはしない。
 そろそろ卒業シーズンだな、と言い出したのは土方だから、それに答えたまでだが土方は話を広げなかった。

「なんか先生一途ってかんじがいいよな、高校生って。まあ、その分手間かかるけど」
「銀時さんは検査最近したっけ」
「した。クリアですよ? 誰でも抱けるね今なら」
「そうか。ならいいけど」

 足の爪を磨き、コーティングしてツヤを出す手入れ方法を、土方はいつの間にか教わってきた。今日の客は足フェチで、万が一にも指に毛が生えてたりしたら嫌がられるから細かいところも気が抜けないそうだ。パイパンに飽き足らず、脛毛まで除毛テープで一気に処理する。やはり商売男はすることが違う。

「そいつ、やめといたほうがいいと思うよ。まあ、銀時さんが決めることだけど」

 何気なく、爪の手入れのついでにとおしろうはそう言った。
 男娼のくせに偉そうだと不快にこそなったが、腹は立たなかった。俺にとってとおしろうは、その程度の存在になっていた。



 結果から言うととおしろうの警告通りだった。
 指でイかせてやって準備室を追い出し、やれやれ今年もひと仕事終わったと思っていた俺は、その生徒が友人に言い触らす危険性を見落としていた。その子供は俺と関係を――正確には身体を繋げてはいないのだが、坂田銀八が自分を抱いたと、アナルを犯してくれたと、親しい友人に嬉々として打ち明けたのだ。


「あー、陸奥? ご無沙汰。ちょっとまた頼める。ああ。生徒がバラしやがってよ。教育委員会まではまだ行ってねえんだけど時間の問題。そそ。ヤってねえよ? わりっけどまた弁護頼むよ。懲戒免職はカンベンだし。あーもう、教師なんかやめよっかな。カワイイ男の子いっぱいいるとこ、どっか知んねえ? ガッコはもうヤバイわ。うん。イマドキの子は口が軽いっつーか気が利かねえっつーか。大丈夫? おけ。じゃ頼むわ。悪いね」


 電話で弁護士に依頼した。この女は男に興味を示さない。ゲイとは違うそうで、女に興味があるわけでもない。ただ仕事が好きなんだと、俺にはよくわからない理論を展開してくる。今まで危ない橋を渡りきれていたのは、この女のおかげだ。

「あの子、やっぱり自慢したのか」

 電話をかけるとき、とおしろうが傍にいたのには気づいていたが、聞いてはいまいと思っていた。その頃俺たちの間には変態セックスすらなく、とおしろうは俺の稼ぎなどバカバカしくなるほどの人気の男娼となって、いつも身体には高価な装飾具や淫具を纏うようになっていた。

「やっぱりて。なんだよ」
「銀時さん、詰めが甘いよ」
「……どういう意味だ」
「言葉通り。口止めとかしないんだもん。銀時さん優しいからなあ」
「……」
「嬉しかったんだよその子は。憧れのセンセイに触ってもらえて。誰かに聞いて欲しかったんじゃないかな……俺はそんなあぶねえ真似しないけど」


 思えば土方十四郎ほど美しく、賢く、下衆で淫乱で高貴な生徒は後にも先にもいなかった。


 俺が教職を退くのと前後して、土方は帰ってこなくなった。客に気に入られ、同居を誘われているあたりまでは聞いていた。律儀にウチに帰ってこなくてもいいんだぜ、と言ってやったのだが笑って、そうだな、わかってるけどなんでか習慣で帰ってきちまうんだよ、と答えるのが常だった。
 それが月に二、三日であっても、土方が帰ってくる限りは、ここは俺と土方の家だったのだ。
 俺は新しく仕事を始めた。一般事務職ではあったが収入は多くもなく、少なくもなく、身の程に合った程度だと思った。土方にアクセサリーを買ってやる必要もなくなっていたし、その頃には本当に、ただの同居人となっていた。セックスはなく、それ用の器具は部屋の片隅で服のハンガー代わりにされ、生活感にすっかり埋もれていた。

 本格的にここを出て行く、と土方が言った時も、ああ、家具の一つがなくなるな、くらいの感慨しかなかった。元気で、と土方は言った。もう可愛らしい子供ではなくなっていたし、匂い立つ大人の色気を纏ってはいても、俺の好みからは大きく逸脱していた。俺と同じ体格の、華奢とは程遠いガッシリとした身体は、肌の手入れも行き届いていて艶々と輝いていた。
 惜しくなかったとは言わない。
 だが、昔感じた庇護欲と、この子は俺が守らなければという自己愛じみた責任感は失せていた。銀時さん、と呼ぶその声に、内側から掻き立てられて叫ばずにはいられないほどの歓びや切なさの衝動みたいなものは、すっかりなくなっていたのだ。

 そうしてとおしろうは、俺の前から姿を消した。
 連絡は取っていたけれど、やがて途絶えた。メールは繋がっていたものの、ある日俺がうっかり自分のスマホを水没させ、データを失った。

 その後、俺の会社は潰れた。
 敗戦処理担当として俺は残されたものの給料は未払いで、その日食うにも困り、一日に一度インスタントラーメンが食べられればいい方で飲まず食わずなんてのも当たり前になっていた。男漁りどころではない。生き延びるのに精一杯だった。
 債務者からの連絡を受けるのは俺の担当で、というかもう社員はほとんどいないし誰でも何でもしなきゃ仕事は進まない状況で、それでも債務者からの電話は皆が敬遠したから必然的に俺の担当になっただけなのだが、そんな怒声飛び交うやり取りに混じって、酷く礼儀正しい相手からの電話を受けたのは、とおしろうを手放してから十年も経った頃だったか。

『坂田銀時さん……いや、坂田銀八さんをお願いします』

 と、その声に聞き覚えはなかったが、その偽名は十分身に覚えがあった。

「銀時も銀八も、そういう社員はおりません」
『失礼いたしました。私土方十四郎氏の代理人で、佐々木鉄之介と申します。司法書士です』



 記憶の奥底から呼び戻される、思い出。

 卒業記念に、抱いてほしい。

 せんせいのおっきなおちんちんを、ここにください。

 つるつるにして? つるつる、せんせいにしてほしい

 痛いよ、こんなところにピアスなんて、誰かに見られたら恥ずかしい

 見られた! つるつる、他の男に

 ちんちんは挿れられてないから! だから、浮気じゃ、な、

 痛い、いたいのヤダァァア! やめて、痛い、いたい

 銀八だけダメなんだ。痛いのが、辛くて

 前はね。痛くされるのが嬉しかった。二人だけの秘密が、

 俺いいこと考えたよ。とおしろうな俺と付き合わない? そうしたら痛くても

 銀時さん。その子はやめたほうがいいと思うよ。

 元気で。

 銀時さん。



「で、なんの御用? 割と忙しいんですけど」


 痛くしてもいいか。

 淫乱。痛くされてイけたのか。聞いてんだよ、そいつらに痛くされてイったのか

 もう二度と痛くしないって言ったら帰ってきてくれるか。帰ってきてくれ

 俺はもう、お前を大事にできない。別れよう

 クールビューティーはとうしろうで間に合ってるから。可愛い子抱いてきたんだ

 どうよ、念願叶ってケツマンコ犯された感想は。


 えーと。俺が好きなの、土方は。



『土方氏からご提案がありまして、今日はご連絡させていただきました』
「させて差し上げる義理はねえんだけど、手短に言えねえ? ホントこっち、ゴタゴタしてて時間ねえんだわ」
『かしこまりました。土方氏があなたを身元引受け人に指定しています。あなたはこれを拒否する権利があります。坂田さんの意志をお聞かせください』
「身元引受け人、て」
『平たく言うと、警察に捕まっちゃったんで迎えに来て、ということです。ご安心ください。土方氏は無罪です』


 仕事は進まない。それは俺の所為ではない。これが俺の日常だとしても、少しだけ、息抜きをしてはいけないなんて誰にも言わせない。

 俺は佐々木という男の指定する警察署に出向いた。俺も罪状こそつかなかったがあまり潔白とは言えない身だ。恐る恐る入り口に近寄ると、

「坂田さんですか。佐々木です。早速のお越しありがとうございます」

 小太りな男が俺に向かって手を差し伸べていた。握手しろってか。嫌なこった。
 人をじろじろ見るのは行儀のいいことではないが、思わず手を引っ込めてそいつを上から下まで観察してしまった。うん、無理。却下。

「土方さんですが、私が引受人で今釈放されました。チンピラに喧嘩売られて、ちょっとやり返したとかそんなんなんですが、土方さんの保護者がですね、怒っちゃって。大事になりそうだったのを、土方さんがあなたの名前で収めまして、わざわざお呼び立てして――って、あっ土方さん! ご無事ですか! 煙草ご用意してきましたッ、サツのヤローに署名は? じゃ、これで無罪放免です」

 かつてとおしろうという源氏名で身を売っていた男は、アルマーニのスーツを身に纏い、磨き上げた革靴で軽やかに足音を立てながら俺に近づいてきた。

「鉄。帰っていいぞ」
「ええっ。自分、他にも御用を、」
「もういい。高杉にはよく言っとけ」
「書面にしてありますが、公式にしますか」
「その話は後だ。帰れ」
「はい」
「待て」
「はい?」
「銀時さんに、失礼はなかったか」
「たぶん!」
「テメェ…….帰ったら」
「あああありません、失礼してません! じゃ、自分はこれで」

 佐々木という男が逃げるように帰ると、土方は改めて俺に向き直った。

「銀時さん。お久しぶりです」
「……ま、その名前もう使ってねえけどな。ご無沙汰」
「お呼び立てしてすいません。忙しかったでしょう」
「まあな」
「相談があります……や、あるんだ」

 突然、土方は口調を緩め、にこ、と笑った。
 年は取ったけれど、その顔は……高校生だった土方が俺に向けた笑顔と同じみたいに思えた。

「ここで?」
「場所、変える時間ありますか。その方が俺は嬉しいけど」
「嬉しい?」
「ええ。銀時さんとゆっくり話せるなら、もちろん嬉しいですよ」
「そうかねえ」
「いやだな、当然です」

 仕事を抜けてきた身だ。これ以上サボる訳にはいかないと言うと、土方は酷くがっかりしたように見えた。後日、というと、不安そうな顔になり、連絡先を交換して、わざわざ俺の前で鳴らしてみた。

「あー、そんなに信用ねえ? ま、そうだよな。わかるわ」
「いやそんな……ただ、もう一度会ってもらえるかな、って」
「そうだなあ。俺オッサンは興味ねえから」
「……!」
「もう恋人もずーっと作ってねえし。知っての通り男の子な。若いのがいいんだけどあの一件で懲りてよ。ハプニングバーやらハッテン場やら漁ったけど、最近は暇も金もねえし」
「……」
「んでもオッサンはご遠慮申し上げてんだ。いろいろ面倒だし」
「……」
「お前もいくつよ。三十過ぎただろ。もう四十近かったりする? 忘れちまったけど」
「……三十七、です」
「だろ。もう俺はいいんじゃねえの。いいよな、五十に手が届くかどうかっつう齢だぜ? あの時さよならして、もう……」
「話ってのはな。俺を、囲わないかって相談だ」

 俺のグダグダを遮って、土方は煙草に火を付けた。そして長いこと煙を吐いた。

「あんたのこと、調べさせてもらった。会社はあと二ヶ月ってとこだろう。来月、不渡りを出す」
「よく知ってんね」
「驚かないんだな。アンタ経理じゃねえはずだが」
「そこまで調べてんのかよ」
「来月で売り上げが急に上がるってもんでもない。もう商品は底を尽きてるはずだ。生産部門が極端に赤字だし、発注のバランスがおかしい」
「企業スパイでも潜り込んでんの。メリットないぜ、来月どころか明日にも現金総ざらえされそうだっつーの」
「まあな」

 自信たっぷりにそういう土方を、もう一度改めて見た。
 アルマーニのスーツはひと目でわかったが、この男はひっそりと洒落気を発揮している。髪に隠れた位置のピアスや、無駄毛ひとつない指に細身の金のリングが数個。目の色に合わせた蒼の宝石が、目立たずに薬指を飾るがシルバーもプラチナも見当たらない。結婚したわけではなさそうだ。

「銀時さんが会社勤めなんて、なんの冗談かと思ってさ。定期的に調べてた。俺、あなたに断ったはずだけど? 忘れたかな」



 なあ、転職って、異動じゃねえの。教師…….やめるの

 そうだよ。ちょっと今回のはマズかったって陸奥にも言われたし、もう生徒の品定めは、おしまい。

 俺は? 俺も、品定めした? 俺はどうだった?

 そこそこ良かったぜ。最後までしろって迫られたのは計算外だったけど、積極性に追加点てことで。悪くなかった

 そうか。よかった。それならいいんだ。教師やめるのって、

 ばーか。そこそこっつったろ。自惚れんな、おめーは数ある男の一人だ。それに、客だろうが

 だよな。うん、そんならいい。でもさ、教師じゃない銀時さんて、想像つかねえな

 まーな。俺も想像つかねえし

 じゃあさ、しばらく見ててあげるよ。様子、変だったら言う。こういう商売してると、お客さんの変化ってすぐわかるんだ

 勝手にすれば?



「定期的に報告受けてただけだよ。アンタの優秀さは疑ってなかったけど、所属したとこは最悪だったね。高杉とも話したんだけど、」
「高杉って、あの高杉か」
「そう。高杉晋助。3Zの……ていうより、今の俺のパパっつーか、俺、あいつの愛人やってんだ」


「でもさ、最近高杉の方も業績上がんなくなってきて。一人で俺を囲うのは限界だから誰かと共有したいって話になって」
「銀時さんも候補に上がったんだけど経済的にダメそうだったから、愛人契約は別の男とする。伊東っていう、ほら昔俺があんたの気を惹こうとしてわざと強姦させた奴? 佐々木の兄貴のほうも誘ったけどもう少し様子見るって。三人時間調整が難しくて愛人気分が味わえないのは嫌だって言うから、ペンディング」

「でね、二人と愛人契約結べば、俺にもちょっと経済的に余裕ができるからさ」



 一緒に暮らさない?

 何してもいいよ。また服着ないで、一日中セックスしてもいいし。プレイも結構いろいろ覚えたから、


「銀時さんのリクエスト通りにできるよ。ね、またピアス開ける?」
「ハードSM、おまえ嫌いだろう」
「この前高杉と肛門フックプレイしたけど、大丈夫だったぜ。裂けるかと思ったけどさ。酷えんだ、高杉ってば『拷問研究入門』とかって本まで読んでさ、ひとつずつ俺に試すの。死ぬ前に助けてくれるけど。ピアスどころじゃねえよ、股関節イっちまう寸前まで拡げられたしフィストファックとか平気でやってくんの」
「……」
「銀時さんはそこまで過激じゃないだろ。あ、過激なプレイあれから仕込んだ? まあ、だいたいのプレイはひと通りこなしたから、無様に泣き喚くことはもうないと断言する」
「……」
「どう? 考えてほしいな。おれ、また銀時さんと一緒にいたいよ」



 うまいもんだ、ホストも経験したんだってな。俺も定期的に調べたよ、お前のこと。
 売専を卒業してホストクラブで稼ぎ、高級クラブに格上げして花魁ばりに選ばれた客だけが触れることを許される高級男娼へ。商品としてばかりかその知能も買われ、愛人契約を結んで店を引いたと聞いている。
 高杉だったのか。あの小僧。


 だが俺が求めてやまないのは、ただひとつ。

 この美しい男の唇から溢れる、ぎんぱち、という名。

 ほかに何も望まない。

「で、今度はなんて呼べばいいの。土方くん、でいいの?」
「嬉しい。成立、ですよね」
「ああ」
「部屋、鉄之介に選ばせておきますね。銀時さん」

 
 ぎんぱち。抱いてもらえるまで帰らない。




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