事実上の、(同級生パロ)


「3Yの土方だけど、銀時いる」
「知ってる。いるぜ銀時」
「呼んでくれって意味だよ! もういいッ、ぎんときー!」
「はいはい、見えてるよ。数学の教科書だろ?」


(何にも言っとらんのに! なぜわかったんじゃ)
(どうせ昨日もどっちかの家で一緒に教科書開いたに決まってらァ)
(他人の事情を根拠もなく勘ぐるのは関心せんぞ)
(ならなんだ。他に理由があるか)
(……やっぱり二人で勉強会であろうな)


「鞄の中探した?」
「うん。やっぱ忘れたみてえ」
「あ、昨日十四郎、教科書読んでる途中で寝ちゃったからかな」
「そのあとお前どっか置いたか」
「いや? ベッドの上に置きっぱだけど」


(ベッドの上!? ベッドの上ちゅーたか今)
(数学だぞ? なぜ数学を勉強するのにベッドの上なのだ)
(ハッ、教科書開いて別のコトしてたんじゃねーのか)
(金時はあり得るが土方くんはそげなコツせんと思うぜよ)
(とゆうか土方はそもそもそーいうコトをまるで知らなそうな気がするぞ俺も)
(そこまでバカなのか土方は)


「床に落ちたりとかしてなかった?」
「なかった。布団の中もなかった」
「うーん。じゃあ今日もお前んち行くし、一緒に探そ」
「うん。それより高杉がお前のこと呼んでくんなかった」
「ああ高杉はね、ヤな奴だからしょうがない。十四郎は高杉なんかと話さなくていいんだよ」


(ほーお。銀時がいるって教えてやっただけじゃ足りねえってのか、俺は充分親切だったじゃねえか)
(男子たるもの、その程度でカッカしてどうする。貴様の対応は概ね間違ってはおらんから落ち着け)
(ワシなんかこの前親切に金時ば呼んでやったら『十四郎としゃべるなばい菌が移る』ちゅーて、金時に髪の毛モジャモジャにされたき)
(元からモジャモジャだろうが)


「そっか。じゃあ次お前の教室来たら桂に呼んでもらう」
「なんで誰かに頼むの。俺を直接呼ぶのいや?」
「そんなことあるわけねえだろ! でも、一応よそのクラスだし……」
「俺のクラスなんだから十四郎のクラスみたいなもんでしょ。遠慮すんなよ。だいたいヅラとしゃべる必要もないから」


(えっ俺のどこが悪いのだ!? 俺はまだ土方と話したこともないのに!)
(ほっとけほっとけ。そのまま一生土方としゃべるな)
(だが俺に悪いところがあるなら直すぞ! ちょっと聞いてくる)
(やめとけちゅーとろうが! 余計事態が悪うなることくらいワシでもわかるき)
(それよりウチのクラスは土方のクラスじゃねェんだが)
(そんなこと今さらあいつらに理解させられると思うのか。だから貴様はバカ杉なんだ)
(よし、表ェ出ろ)


「じゃあ、帰りにまた来る」
「あ、ちょっと。襟」
「?」
「曲がってる……つうかこのワイシャツ」
「なんかいつもと違うんだ」
「俺のだよコレ」
「あ、ほんとだ」


(なんでワイシャツが入れ替わるんだよ、脱がなきゃァ入れ替わらねえだろうが)
(脱いだんじゃ、なんでかは知らん)
(というか洗濯せんのか? 二日続けて同じワイシャツ着るか普通)
(しかも人が着たワイシャツだぜ? ゾッとすらァ)
(普通はな。普通は着たいとも思わん)
(ワシは着るぜよ。自分のだけど)
(汚なッ!? モジャモジャ菌移るから離れろ、俺の半径三百メートル内に入ったら殺す)
(アッハッハ! 潔癖すぎるのも考えモンじゃ)
(汗臭ッ!? だが自分のならまだマシではないか、銀時が着たワイシャツの二日目は死んでも嫌だ)
(そうでもねェって野郎がすぐそこにいるぜ。もうヤダ俺土方にも近寄らねえ)


「じゃあ俺んちに十四郎のワイシャツが来てるかもしんねーな、カーチャンに聞いとくわ」
「別にいいぞ。着てても」
「あー、足りなかったら借りるかも」
「そういえばお前のパンツもうちにあるぞ」
「えーマジ? おばさんに見られちゃった?」
「うん」


(洗濯はされてるらしいな。ひと安心だ)
(なんにも解決されてねェだろうが。パンツってなんだどうやって帰ったんだ)
(なんと! 二人の仲は土方家公認じゃ、これはいかんぜよ)
(や、別に。勝手にくっつけばいいんじゃねェか)
(今までとたいして変わるまい。公認だろうが悲恋だろうが、ワイシャツ入れ替わろうがパンツ忘れて帰ろうが好きにすれば良い)
(あ、そうじゃった。てゆうかあれでつき合ってないつもりなのか金時と土方くんは)
(そこが一番の問題だと思うぜ、俺は)
(いつまでやってるつもりであろうな)
(死ぬまでやってりゃいいんじゃねえか)


「あ、予鈴鳴ったよ十四郎」
「俺、次当たるかも……」
「ダイジョーブ、俺の教科書に答え書き込んであっから。見ればわかるよ」
「うん……頑張る」
「頑張って! 応援してるね」
「じゃあ、またな」
「うん……クラス分かれなきゃ良かったのにな」
「でも休み時間ごとにお前の顔見に来るのも悪くねえよ」
「なんで」
「新鮮っつーか。今までこんな長いこと離れたことなかったし」
「でも俺、さみしい」
「さみしいのは、俺だって!」


(たかが四十五分じゃねえか、何をどうしたら淋しくなるんだ、どうなってんだあいつら!?)
(そりゃ幼稚園からピッタリ寄り添って生きてきたらしいから、四十五分は長いのだろう。よくわからんが)
(もう飽きたぜよ。早く自分の教室ば帰らんかな土方くんは)
(飽きたっつーか、呆れてモノが言えねえ)
(もうじき教師くるであろう。あれっウチのクラス数学じゃないよね? なんだっけ、俺の教科書ーーッ)
(土方に借りてこい)
(銀時に殺される。見せて)
(ヤダ)



「授業始めるぞ……また土方くん!? キミの教室隣。坂田は席に着きなさい。なんだよ!? 俺アタリマエのことしか言ってないよね!? なんで睨まれんの、敵視されんの!? いいから、戻りなさーーーいッ」

「マダオのくせに俺たちを引き離す気かよ」
「だって授業! ちょっと聞いてる!?」
「十四郎」
「銀時……」


「星海坊主センセーーーッお宅の生徒がこんなとこで男同士見つめ合って動きませーーん」
「ああ、うん。もうそれほっといて。Y組は授業始めるから、座らないと殺しちゃうぞ。土方は……気が向いたら戻ってきなさい」




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ピュアとは(笑)。

M様リクエスト
「幼馴染同級生設定(ピュア)でナチュラルに
イチャイチャする銀と土に心の中で
ツッコみまくりの周囲」

リクエストありがとうございました!




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