個人情報(学生?パロ)


(銀時ィ……また遅刻か。今度こそすべてをぶっ壊すか。この俺を待たせるたァいい度胸だ)
(銀時がやった事にして俺の獣の疼きが止むまでレジでもぶっ壊しとくか。困るのァせいぜいグラサンマダオ店長くらいだろ)
(ん? あの客また来た。また立ち読みかいい度胸だ、まずはテメェからぶっ壊す)

「お客さん。立ち読みは困るんだがなァ」
「……」
「聞いてんのかテメェ」
「お前」
「あァ? 俺ァツレがまた遅刻しやがって頭来たから今日でバイト辞めるんで、クレーム入れても無駄だぜクククッ」
「あ、遅刻してんのか」
「は?」
「いやあの、いつもいる銀髪の店員」
「いつもいねえよ。いつも遅刻だあのクルクル天パは」
「……お前、ほんとに辞めんのか」
「ああそうだな。クソ天パの面倒見んのァもう懲り懲りだ。俺ァ俺のやりたいようにやる」
「じゃあ……このコンビニ、またバイトの募集掛けるか」
「知らねえ。俺はバイトだからな」
「銀髪って何曜日の何時にシフト入ってんだ」
「……」
「……」

「お客さん、俺ァ今日のとこはまだ店員だからなァ。個人情報ニハオ答エデキマセン」
「なっ!? じゃあ今日のテメェの無礼はクレーム付けていいんだな! とっとと辞めろクソ店員!」
「フン。言われなくても辞めてやらァ。だが銀髪野郎の情報は教えねえしバイトの後釜は俺の後輩突っ込むから。テメェにゃ関係ねェから」
「〜〜〜ッ、テメェ表ェ出ろ!」
「いや、銀髪が来るまで出られねえなァ。クックッ」


「オハヨーっす。何やってんの低杉」
「ひ、低過ぎ!? ……ぷーっくくく」
「何笑ってんだテメェ。野郎が来たから表ェ出てやってもいいぜ」
「オイオイ何やってんの。お客さんに喧嘩売ってんじゃねーよバカ杉」
「ばッバカ過ぎ! ブーーッ」
「お客さんも笑い過ぎでしょ。また立ち読みっスか、アンタいつも長過ぎんだよいくら深夜でも限度ってもんがあるだろ」
「そうだ。深夜バイトだから客来ねえと思ってこっちゃ緩くやってんのにテメェのせいで寛げねえ」
「おめーは寛ぐな。家で寛げ」
「家だと寛げねえ」
「何でだよ。また散らかしっぱなしかよ。言っただろ、出したらしまう、開けたら閉める、閉めたら開けるって」
「……お前ら一緒に住んでんのか」
「は? や、なんで」
「家でって。おんなじ家じゃねえのか」
「え、いや、その、個人情報ニハオ答エデキマセン」


「……ッ、そうか。そうだよな。すまなかった」
「? ああ、まあ。すいませんね、いろいろトラブルになるんでね」
「そうだよな……お前らいつも同じシフトだもんな」
「えっ。いや、ちょっと、なんで知ってんの」
「おいテメェ、さっき俺にコイツのシフト聞いたくせに既に調査済みか。ストーカーかテメェ」
「おめーは黙っとけ! アンタいつも来てくれるよな。買うのマヨネーズだけだけど」
「お、覚えててくれたのか!?」
「覚えてるもクソも、あんだけマヨネーズ買ってく人いないからね。どんなスピードで無くなるんだよマヨネーズ、アンタんち何人家族だよ」
「こ、個人情報ニハオ答エデキマセン」
「ああ悪ィ悪ィ。特に答えは求めてなかったんだけどね。すいませんしたぁ」
「……ッ、嘘だ! き、聞いていいぞ、ちなみに一人暮らしだ」
「え。あー……そっスか。でもお客さんの個人情報も聞いちゃいけねーんで、忘れマス」
「忘れる、のか……」


「クククッ、おい銀時」
「あ?」
「こいつ毎回テメェのシフトん時しか来ねえんだが、なんか心当たりはねえのか」
「いや、特に」
「! お、覚えてねえのか俺のこと」
「だからマヨネーズのお客さんでしょ。それくらいは覚えてますよ? でもそれ以上覚えてるっつか知ってたらアンタも気持ち悪ィでしょうが。俺たちゃただのバイトだし」
「別にいいぞ! 俺んちはそこの角曲がって真っ直ぐ行ってデカイ道路に当たったら交差点を左に……」
「イヤイヤイヤ! ちょっと待って! 個人情報はヤバイから! 言わなくていいから!」
「銀時ィ、テメェ俺というモンがありながら……」
「や、やっぱりお前らつき合ってんのか!?」
「ちょい待ち! お前らこそ何言ってんの!? ちょ、俺のいない間に何があった!?」
「否定しねえってことは、やっぱり同棲してんだな……」
「フン。個人情報ニハオ答エデキマセン」
「黙れチビ杉! なんか変な感じになんだろ!? もちろん個人情報ニハオ答エデキマセンけれども! それは正しいけれども!」
「俺が悪かった……そっちの、えっと、『たかすぎ』? 高過ぎ? ブフーーッえっと、お前の彼氏にちょっかい出してスイマセンデシタ」
「わかりゃあいい」
「ストーーップ!! 彼氏って何!? 俺はいつおめーとつき合いましたか!? やだよこんな目つきも性格も口も悪いヤツなんか! しかもチビだし!」
「おいそっちの……『さかた』さん?」
「へ? なんスか」
「こいつが男なのは、その、き、気にしないのか?」
「へっ!?」


「あの、お、男ともつき合えるヒトなら……そんでそのチビが恋人じゃねえなら」


「誰がチビだ。テメェらがデカすぎなんだよ」
「まあそりゃね? 俺はすこーし人より背が高いよ? でも辰馬よりゃマシだろ、あいつデカすぎんだろ」
「しかも下駄履いてるしな」
「頭空っぽのくせに他人様のこと見下してェのかっつーの。黒モジャのくせに」
「テメェもモジャだろうが」
「あーはいはい。人間足りねえモンが一個くれえねえと、近寄り難くなんだろ。だからモテモテなんだよ俺は、テメーと違って」
「俺は片目がねえからテメェよりもっとモテる」
「くーーッ、ツヤツヤストレートだからっていい気になんなよ!」


「……やっぱりなんやかんやでお前ら仲良いんだな。俺が悪かった」
「はあ!? 今まで見ててどこでそう思ったのお客さん!?」
「さっきから息ぴったりだし。なんか共通の友達もいんだろ、公認なんじゃ、」
「イヤイヤイヤイヤ! こんなチビどうでもいいから!」
「俺が口挟む余地もねえっつうか」
「ナイナイナイ! マジでコイツさっさと消えてくんねえかなって毎日お空にテキトーに願ってるから」
「同感だな。さっさと消えろ遅刻常習犯」
「お、俺は! アンタが遅刻してきても気にしねえぞ!? アンタが来るまで待つ」
「……」
「クックッ」
「この、えっと、『たかすぎ』って奴さっき『今日で辞める』っつってたんだが」
「え、お前辞めんの? なんで?」
「なんでたァご挨拶だな。俺ぁテメェの尻拭いはもうたくさんだと思ってな。いろいろぶっ壊して辞めてやろうと」
「だからっ! お、俺をその後釜にしねえか!?」
「えっ」
「俺はっ、アンタが遅刻してきても文句言わねえし! タイムカードあんなら俺が来たときついでに押しとくし! アンタが仕事中寛ぎたかったら仕事もやっとくし、俺と、シフト組まねえか!?」
「えっ」


「なるほどな。俺だけのときゃァテメェは来ねえ、この銀髪バカのときゃずっと立ち読み、おかしいたァ思っちゃいたが」
「! べ、別に俺は……」
「ストーカーか。やっぱり」
「え。アンタ俺のときだけ来てくれてたの」
「……ッ、」
「毎回マヨネーズばっか買ってく変な人だなぁって思ってたんだけど、もしかして用でもないのにとりあえずマヨネーズ買ってたの?」
「なんでだよ。マヨネーズはいくらあっても困らないだろ」
「え、アンタ二日に一回はマヨネーズ三本買ってくよね? 食べきれないよね、マヨネーズのストック一年分くらいあるよね?」
「は? マヨネーズは一日一本だろ。コンビニのマヨって徳用サイズじゃねえから一日一本半は食うだろ」
「えええ!? それはどうかと思うけど、じゃやっぱりただ用事があって来てただけじゃん。スーパーのほうが安いよ、俺が言うのもなんだけど」
「す、スーパーには……」
「スーパーには、何」
「……アンタが……いねえ、だろ」
「……」


「えっと、お客さん。名前なんてーの」
「! こ、個人情報ニハオ答エデキマセン」
「ふーん。そっか。そうだよな。じゃあ俺もオ気持チニハオ応エデキマセンてなるけど」
「待て! 土方十四郎だ」
「土方くんか」
「……おー」
「俺は坂田銀時な。男とつき合ったことねえし低杉なんて論外だしおっぱい大好きなんだけど」
「そ、そうか……」
「あのな、バイトの時間も忘れちゃう俺が、なんでアンタの買い物傾向は覚えてると思ってんの」
「え、」
「おい高杉、今日俺何時までだっけ」
「知らねえ。明日の今頃までじゃねえか」
「じゃあおめー代わりに入っとけボケ。土方くん、終わったら連絡するわ」
「い、いいのか!?」
「いいから言ってんの、お前もアホなの。ハイここにおめーのケータイ書いて。早くしろ」
「あ、口で言うから俺に掛けてくれたら登録……」
「あァ? 俺の個人情報は後で会ったときに泣くまで教えてやんよ。まずはおめーの寄越せ」
「! これっ……ほんとに、連絡くれるか?」
「覚えてたらな」
「!」
「クックックッ……バカめ、銀時はドSだぞ。まあ身を以て知るんだな」




「おーい、銀さん高杉くん話終わった? もうさぁ、その黒髪のお兄さん、ここで履歴書買って書いてくんない? 即採用するからそいつらの代わりに真面目に働いてよ、でもタイムカードの不正はやめてね……って誰か話聞いてくれよ! オジサン店長なのに!」



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小夜さまリクエスト
「コンビニの深夜バイト銀さんと
常連の土方さん」

ぎんひじ二人きりじゃなくてすいません。
リクエストありがとうございました!




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