カワイイ彼氏 「まァァたグータラしてんのか! みっともねえ!」 「毎日グータラしてるみてえな言い方すんなボケ」 「事実だろうが」 「事実じゃありませんー午前中はおシゴトでしたぁ」 「ああそうですか! 午後は?」 「午後はっておめー、一日一件でも仕事入ったら万々歳よ。みっともなくて悪うございマシタ。公務員サマは零細企業の苦労なんぞご存知ねえってか」 「仕事探せ。ダラけてねーで」 「ダラけてんじゃねえよ、仕事の後の休憩してんの。休息は必要だよ人間。仕事人間はヨユーがなくて困るわ」 「こっちゃ余裕しかねえプーが羨ましいわ!?」 「じゃあ休憩すればいいじゃん。デキル男は自分の時間くれえ作るんだぜ?」 「俺は出来ねえ男なんで! 作れないんで!」 「ちぇっ。可愛くねーの」 「……悪かったな」 「そうそ。悪かったと思うなら……」 「可愛いヤツに是非慰めてもらってクダサイ。俺は可愛くないんで」 「?」 「じゃあ、可愛くない俺は口出しマセンから! 好きにしやがれクソ天パ会っても話しかけんなよ可愛くないんで、じゃあなッ」 「――ばか。可愛くて堪るかってんだ」 「副長!? なんて? おおお俺、なんかしました」 「!? うるせーーッなんでそこにいんだ! 出てけ山崎のくせに!」 「自分で呼んどいてそれですか! 山崎のくせにって、山崎って悪口じゃありませんからっ」 「やかましい! 山崎のくせに」 「聞いてました!? ぎゃあああああ」 「おいタバコ切れてんぞ! 鉄、タバ……」 「やれやれ八つ当たりですかィ。鉄は出かけてますぜ。つーかアンタが用事言いつけたんでしょうが」 「う……山崎ッ」 「逃げましたぜ」 「うぅぅぅ……総悟ッ」 「俺をパシリにしようってのかィいい度胸だ土方コノヤロー、これでもくらえ」 ドゴーン、パラパラ、 「チクショォォォオ!」 「まあまあトシ、落ち着いて」 「ぐぬぬぬぬ」 「今晩空いてる? たまには俺と飲み行かね」 「……」 「あ、無理しなくていいよ万事屋と約」 「してない。空いてる」 「あれ珍しいな、いつもよろず」 「珍しくねえ」 「どしたの。喧嘩した? よろ」 「してねえから!? 空いてるから! 飲みに行けるからッ」 「……すまいるは止めとくか」 「で、万事屋と喧嘩したの」 「してない。なんでもない」 「トシのなんでもないは当てになんねーからなぁ」 「だいたい可愛いってなんだ。俺にどうしろと」 「可愛いって言われたの、万事屋に」 「……可愛くねえって」 「そんで拗ねてんの」 「拗ねてねえだろ! 呆れてんだ」 「またまたぁ。ムカついてるじゃーん」 「ムカついてんのはそうだ! 可愛くしろって言われたって」 「万事屋も意地悪いよな、うんうん」 「そうだろ! わざと言ってんだあいつ!」 「じゃあ可愛いのに乗り換えろって言ってやれ」 「それは嫌だ」 「はっはっは……嫌なのトシ」 「やだ」 「そっかぁ。でも上手くいかねーんじゃあなぁ」 「……あいつがバカだから」 「ほんとバカだなぁ万事屋! トシこんなに可愛いのにな」 「可愛くねーもん」 「可愛いって。よしよし」 「う……」 「じゃあ今日はもう、万事屋の話しない。なっ! 飲んでパーッと忘れろ!」 「パーッとって近藤さんほっとくと脱ぎ出すしなぁ」 「大丈夫! 気をつけマス」 「まあいっか俺が脱ぐわけじゃねーし、仮に脱いだとしても俺可愛くねーから関係ねえよな!」 「そうそう! トシ関係ねーから大丈夫!」 〜二時間後〜 「こんどーさん! さしみにまよねーずかけていいか」 「いいぞ。好きに食え」 「やったー! こんどーさんはやっぱりおれたちのたいしょーだな!」 「マヨネーズで大将認定ってどうかと思うけど、トシがそう言うんならそうだな!」 「ぎんときはなぁ、まよねーずきらいなんら! あたまおかしーだろ!」 「そうでもねえと思うけど、トシがそう言うんならそうだな!」 「こないだなんかな、かつどんにまよねーずかけたらダメっていうんら! ぎんときのあほー!」 「俺もダメだと思うけど、トシがそう言うんならそうだな!」 「そうだ! しごとしろどいつもこいつも」 「俺はしてるよ! ダメだな万事屋!」 「こんどーさんもしろ」 「えっ、してるつもりだけど……トシがそう言うんならそうだな!」 「めもっとくからな。しごと、しろ、っと」 「トシそれ俺の顔! わざとやってる!?」 「こんどーさんのひげー! じょりじょり」 「わははは! じょりじょりだろ、カッコイイだろ!」 「かっこいー! すとーかーはやめろ」 「してないしてない! 愛をハントしてるだけー!」 「こんどーさんおっさんのにおいー!」 「オッサンだからしょうがない! トシかわいーな」 「かわいくねーもん」 「かわいいかわいい。よしよし」 「もっとなでろ。あ、まよのえだまめくう?」 「げっ!? 食わなーい、トシ食べていいよ。あーん」 「あーん」 「失礼しまーす。次の料理で……土方!?」 「おお万事屋。バイト?」 「バイトだけど、オイィィイ!? あーんって、なにやってんの!」 「トシー万事屋が来たよー」 「やだ! こんどーさんがいい!」 「ちょ、土方ァァァア!? ゴリラに抱きつかないでェェエ! ゴリラァァァ! どういうことだ」 「え、知らなーい。今日はトシ甘やかす日だもーん」 「こんどーさん、もっかいあたまなでて」 「いいぞ。よしよし、トシはかわいーな」 「そーだ! おれかわいーんだぞ、ぎんときあっちいけ」 「ギャアァァァアやめて! 土方にゴリラ菌つく! オッサン化しちゃうぅぅぅ」 「トシの可愛さがわかんねーヤツなんかほっとこうなートシ」 「ほっとこうなーこんどーさん」 「スイマセンッしたァァァア! このとーり、土下座するからやめてくださァァい! 土方、こっちおいで?」 「おれかわいくねーからいかない」 「可愛い! 可愛いからこっち来て」 「くちばっかかわいーなんていらねー! なっこんどーさん」 「なっトシ」 「口だけじゃない! 口だけじゃないから! 可愛いから心配なんだろーが……お願い、ゴリラじゃなくてこっちおいで。ああああ! 膝乗るなアァァ! キィーーーッ」 「トシ重ーい、かわいー!」 「こんどーさんだいすきー!」 「うあああああ! ほんっっっと、スイマセンでした……反省して仕事してますから許してクダサイ」 「やだ。おれかわいくねーもん」 「可愛いってば! 可愛くねーって言ってゴメンサナイ」 「かわいくねーもんはかわいくねーもん!」 「もう……可愛いからゴリラに取られそうなんじゃねーか! いい加減に離れろ……って、あ、」 「もうずっとこんどーさんといる! ぎんときいじわるだからいらないっ」 「謝るから! な? おいで土方。立てねえだろ」 「たてるもーん! まだのむもーん」 「もう飲まなくていいから! 新八ぃ、ここ替わって。俺帰るわ」 「しごとほーきか! だめだな!」 「うん、ダメだな。こんなおめー放って仕事してらんねーよ」 「しごとしてんのか?」 「今仕事中。だけどちょっと抜ける」 「はんせーしたのか?」 「そうだよ。休憩したしな」 「ひる、ほんとにきゅーけーだったのか」 「まあ……朝と夜だけ仕事入ってたんだよ」 「そっかーしごとあったのかー」 「たまたまな」 「たまたまだって! ぎんときやらしー!」 「おいやめろ。こんなとこでやめろ」 「たまたま! たまたま、きゃはははは」 「新八ィ土方うちに泊めるけどいい? ちょっとうち連れてって寝かしてくるわ」 「ほかのおとことしゃべんな!」 「はいはい。しゃべんない。帰るよ土方」 「……あしたおれ、しごと」 「急に素に戻んなよ! 休みだってよ」 「あれ? こんどーさんは?」 「帰ったよ。ちゃんと仲直りしろって。明日休みにしていいってよ」 「ぎんときぃ」 「なーに」 「おれかわいくねーのに、いいのか」 「可愛いよ。可愛いから可愛くねーって言っちまったんだよ、ごめんな」 「ぎんときぃ」 「なーに」 「かわいーやつになぐさめてもらったか?」 「貰うかよ。俺の可愛いのは、土方だけ」 翌日万事屋で目が覚めてヒィー! あきママ様リクエスト 「喧嘩をして可愛くないと言われたと 近藤さんに拗ねて甘える土方さん。 それを見て、キィーっと悔しがる銀さん」 リクエストありがとうございました! 目次TOPへ TOPへ |