『影山君、昼休み呼び出されて、丸々潰れるって。日向君は空いてる?早速また練習したいです、スパイク』


 そう連絡が来たのは、四限目が始まる前だった。鞄の中でこっそり『空いてるよ!終わったらすぐ行くね!』と返事を送って、今度はクラスメイトの男子に声をかけに行く。


「あのさ。用が出来たから、今日は別の所で食べるから」

「分かったー」


 もし「誰と?」と聞かれて、同じクラスの苗字さんだよと答えても伝わらない事を考えると、少し寂しくなった。
 菅原にも頼んだ方がいいだろうか。否、急だから今回は止めておこう。ボールを高く放る事くらいなら出来る。

 席に戻ってもう一度携帯を確認してみると『有り難う、待ってます(^^)』と苗字からメールが入っていた。


「でも苗字さん、菅原さんとの練習で上手くなって成功率も高いし……。今日やってみて、影山にいつ頼むかだよなぁ」


 影山が居ないうちになんてよくよく考えてみると後ろめたいが、あんなに意気込んでいる苗字を見たら放っておける筈もない。

 ゴメン影山。心の中で呟いて、四限目始まりのチャイムに席を立った。

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