「考えられるのは2つ。刃物を持った人間が暴れてるか、新種のアラガミが暴れてるか。…後者で確定しない限りは私達が首突っこめる話じゃないんだけど。」

「ねえ、その…アラガミって、なんなの?」
溜め息混じりのミツキに、改めて抱いていた疑問を投げ掛ける。半ば呆れた様な、驚いた顔をして彼女はサフィルを見る。
「…本当に何も知らないんだ。」
「仕方ないでしょ…それに、あなた達は何者なの?」
「それはあまり細かくは教えられないけど…参ったな、私説明苦手なのに。」
困った様に彼女はぎこちなく言葉を続けた。

「えーと…アラガミっていうのは、昨日君が追い掛けられた奴だ。」
「あの、一ツ眼のお化け?」
「うん、アラガミの一種。ザイゴートって言って、やたら眼が良いんだ。あれと追いかけっこなんて諦めた方が賢明だよ。」
「一種、ってことは、他にも種類が居るの?」
「そうさ。ザイゴートなんかはまだ雑魚な方だよ。放電する虎に鉄の蠍、火柱振り回すでっかいトカゲ、そんなのが毎日の様に『新種、新種』って増えてくんだ、キリがないよ。」

サフィルは自らが幾度も対峙してきた獣竜や火竜の姿、遠方の地に棲むという水晶の尾の蠍の話を思い浮かべる。
「モンスター、ではないの。」
何と無しに呟いていた。
「モンスターねえ…まあ、そう呼んだ方がしっくりくるんだろうけど。」


「で、そのアラガミと戦って一般市民を護るのが私達『ゴッドイーター』さ。」
どこか皮肉そうにミツキは笑った。





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