CP、殺伐なんでもあり



秘密が多い委員会(そんな事で委員会〜時友四郎兵衛の計画の段)

火薬の量、火薬の知識、火薬の場所、焔硝蔵の場所。暇な委員会と言われているが、実はあの委員会は案外隠し事が多い。
「久々知先輩と行った田楽豆腐屋さんがすっごく美味しくてね!」
伊助が友人達に嬉々として話している姿を見た者は多い。多くの生徒達はその光景を微笑ましく思い、あの先輩が認める田楽豆腐の味に思いを馳せただろう。
火薬委員会の忍務を察したのは、上級生のみだった。

2024/01/29 22:56


火薬委員会委員長代理

「久々知」
呼ばれた名に久々知はただ頷いただけだった。久々知は常のままなのに、六年生は全員ピリピリと緊張と心配を漂わせていて。自分達は何も知らないのだと思い知らされる。
「兵助……?」
そのことに、最も動揺していたのは尾浜だった。常の飄々とした姿からは考えられないほど震えた声に、久々知は一瞬驚いて微笑する。
「大丈夫だよ。おれにはおれの役目があるだけだから。勘右衛門も、ちゃんとみんなのこと守ってね」
火薬委員会は学園の火薬を管理する者。管理とは時として、守ることも意味する。
火薬委員会委員長代理。その責任と肩書きの重さを尾浜達が理解した時には、全てが終わっていた。

2024/01/29 22:55


ナチュラルスパダリムーブ尾浜

同室なのだ、多少甘くなるのは仕方がない。食満自身、善法寺を甘やかしがちな自覚はある。とはいえそれは信頼からくるものであって。というのは言い訳だろうか。
「ありがとう勘右衛門」
「ん」
嬉しそうに笑う久々知に、気にするなと微笑む尾浜。尾浜の手には荷物。反対に久々知は何も持っていない。尾浜が久々知の分まで持っているのだ。
これは、甘いとはまた違うのでは? 偶然その光景を見てしまった食満は思わずぐるぐると考え込んだ。

2024/01/29 22:55


委員会別上級生コンビ対決

「まさか伊作先輩と八左ヱ門が組むとは……」
「まあだが妥当だろうな。あそこ二つだけだろ、上級生が一人なの」

「狙い目かと思ったんだが、あそこは最後だな」
「五年生と六年生が組むと強いですからね……図書もダメですね」

「となると、最弱を狙うが得策か?」
「この中で最弱といえば……」

「まあ、うちだな」
「だよねえ……でも、負ける気はないでしょ?」
「もちろん。こちらを狙うというなら、逆手に取ってやろう」

2024/01/29 22:54


久々知は乱きりしんのトラブルにあんま巻き込まれん気がする
(たぶんつっこみじゃないから)

忍務中のことだった。
立花と久々知が変装し潜入していた店に、乱太郎、きり丸、しんべヱがやってきたのだ。途端に立花が顔を歪ませたのと、乱太郎達が立花達に気付いたのは同時だった。
「立花せんぱ」
「こら」
ニコニコと笑顔の後輩達がその名を呼ぶ前に、それを遮る声。青筋を立てた立花が視線を向ければ、久々知が乱太郎達の前にかがんでいた。
「明らかに変装して忍務中だろ? お前達も忍たまなんだから知り合いがいても名前を呼ぶな」
「えへへ……すみません」
眉を下げて苦笑する3人に久々知はにこりと笑い、「ご注文は?」と店員の態度に戻る。乱太郎達も心得たように、その後は一貫してただの客として振る舞っていた。忍務を手伝おうとすることもなく、話しかけてくるでもなく。
最後まで客として帰って行った3人を見送って、立花は半ば呆然としながら呟いた。
「久々知お前、これからずっと私の隣にいてくれないか……」
「なんですかそれ、プロポーズ?」

2024/01/29 22:53


「沸点の低い思い出し笑いの段」の内容とは全く関係ないタカ丸と久々知の話

「良いって。それがタカ丸さんだろ?」
つい髪の話題に熱心になってしまって、勉強から話が逸れてしまったタカ丸に、久々知はそう言って穏やかに笑った。
「良いって、それが守一郎だろ?」
思い出し笑いで髪を結えない守一郎に、タカ丸は笑ってそう言った。
守一郎の話に隠れて笑ってから、ふとあの時のことを思い出した。三郎次や伊助は時折久々知に似てるなあと思うことがあるのだが、どうやら自分も彼に似てきたらしい。なんだか嬉しくて、もう一度こっそり笑った。

2024/01/29 22:52


七松と久々知

「あいつは冷静なのに負けず嫌いだからな! 挑発には乗らんくせにえげつない返しでくるから結構厄介なんだ」
「……小平太は何をしたの?」
「……この間の対戦訓練で、久々知と組んだんだ」
「毒撒かれた!」
「ああ、あの時のか……」
腕しびれたー! と笑いながら血みどろになっていた小平太を思い出す。確か久々知も腕をぷらぷらさせながら血みどろだった。が、二人とも手当されながら楽しそうに反省会をしていたなと思い返す。性格も成績も正反対そうな印象があったが、思えば二人の得物は近距離だったし、意外と小平太と久々知は気が合うのかもしれない。

2024/01/29 22:49


三年と六年vs四年と五年

「正直五年はどう出てくるかわからん」
「え、でも……」
「得意武器だけで言えば、久々知が先陣、尾浜と竹谷が遊撃、鉢屋が攪乱、不破が後詰だろうな」
「でも久々知は火器の扱いが上手いし、竹谷は毒が使える。攪乱は尾浜も得意だし、鉢屋が先陣も十分有り得る」
「参謀役が不破なら、他の奇策で出てくる可能性もある。更に久々知は人を使うこともできるし、竹谷は虫や動物を扱える。尾浜は接近戦も得手で、鉢屋と不破の双忍の術は見破れるかわからん」
「……!」

2024/01/29 22:47


羽丹羽くんが初めて火薬委員会として戦う話

「――タカ丸。行け」
穏やかな久々知先輩の、感情を削ぎ落としたような声に背筋が冷えた。
次に気付いた瞬間、タカ丸さんはその場におらず。一瞬で敵に近づき、髪型を変えた。
「ひぇっ……」
「うわあっ、なんだこの髪〜っ!?」
「……ひっでぇ髪質……トリートメントした方がいいですよ?」
「うっ、うるさい!」
「三郎次、伊助」
「「はい」」
普段通りに呼んで、普段通りに返事をする。だが二人の手には目潰し。
「タカ丸!」
その声と同時にタカ丸さんはこちらに戻り、三郎次と伊助が目潰しを投げた。

2024/01/29 22:47


余裕のある鉢屋の鉢くく

トン、と壁に背中が当たる。悔しくて目の前の男を睨みつけると、今まで見たことがないくらい優しい顔をしていたからますます悔しくなった。
「兵助?」
「……なんでもない」
おまえそんな、いかにも愛おしいです、みたいな顔、できたんだな。

2024/01/29 22:20


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