人は皆それぞれが引かれ合って成り立っているのではないか。その中でも糸が赤いものを運命だなんて呼んだりしている。そう、まさに惹かれ合うというやつだ。じゃああの二人がこんなにも引かれ合う…いや、引っぱり合ってるのは運命と呼ばずして何と呼ぶのだろう。まあ、静雄と臨也の場合は互いの血で染まった赤糸だろうけど。だけどそれがもし――。

「惹かれ合う証だったとしたらどうなんだろうね」
「なに、新羅。今日はやけに空想にふけってるじゃないか」

今日も静雄と暴れ回ってきたのか、教室に来た臨也の姿はケがだらけだった。でもこれはいつものことなので気にしない。

「やあ臨也。君はどう思う?運命の赤い糸について」
「あれはただの言い伝えの一種でしかないだろ」
「まあねえ。素敵だと僕は思うけど」
「んー。でも、もしあるとするならば俺とシズちゃんのことなんじゃない?」

これにはさすがの私も驚いてしまった。まさか臨也が静雄のことを運命の相手だと言ってのけるなんて。

「なんでだい?別に君らは恋仲でも何でもないだろうに」
「なにもそのままの意味で捉えなくてもいいと思わない?あのシズちゃんの俺探知能力はまるで俺に繋がっているとしか思えないからね」
「そうゆうことか…」
「それに俺とシズちゃんが恋仲だなんて本気で反吐が出る」

臨也はそう言うけれど俺はやっぱり二人は運命の赤い糸で結ばれてると思う。

「い〜ざ〜や〜く〜ん」
「げっ!シズちゃん」
「てめっ!待ちやがれ!」

臨也を探しに来た静雄が現れ、二人はまるで嵐のように教室から出て行ってしまった。

(セルティはもう帰って来てるかなあ)

『静雄は運命の赤い糸をどう思う?』
『………あるんじゃねえか?』
『おや、またどうして?』
『俺がいくら嫌でも、しつこいぐらいにアイツは俺に暴力を使わせようとするだろ?何かそれよ、切れない何かで繋げられてるみてえな感じがする』
『恋仲っていう意味は盛大に無視なんだね…』
『おい新羅、友達のよしみで半殺しで勘弁してやるよ』

数時間前にした静雄との会話を思い出してしまった。やっぱり二人の糸は惹かれ合っているだろう確実に。


繋がれた赤
(それはバイオレンスに雁字搦め)



5000記念"ごせん"シリーズ

2011.0423


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