※罪歌(杏)→静←臨


「あいしてるわ!平和島静雄!!」
「シズちゃん、ラブ!!!」

――どうしてこうなった!?

俺は今、人生のモテ期に突入したみたいだ。しかし残念なことに、人外とノミ虫という何とも嬉しくない状態ではあるが。

「おりはらいざやはすっこんでなさい。私が静雄をあいするんだから」
「いやいや、すっこむのは君の方だよ。俺とシズちゃんの間には何人たりとも割り込ませないよ…って君はそもそも人ではないから割り込むことも出来ないね?」

――ウゼエ。特にノミ虫。

俺は今日もいつも通りトムさんと集金巡りをして、いつも通り臨也のヤロウを見つけて殺し合いをしていた。そこまではいつも通り何ら変わっちゃいねえ。だけど今日はいつもと違うことが起こった。

「たかが情報屋のくせしてずいぶん生意気ね。その無駄な口を永久に閉ざしてやろうかしら。」
「ヒドいなあ。俺は君の大好きな人間だよ?それなのに君は俺のことを斬るのかい?まあ君と親子になるなんて願い下げだけど」

罪歌がやってきたのだ。前みたく大勢ではなく、今日は女子高生一人の姿ではあるが。そしてヤツは臨也に喧嘩を売り、どうしてか二人して俺を愛してるなどと叫んだと思えばまたも言い争いを始めているというわけだ。

「こちらこそアナタが私の子どもなんて願い下げだわ。私は静雄との子どもが欲しいんだから」
「ふ〜ん。でもシズちゃんは俺と殺し合いするので手一杯だから無理だよ。というか俺がそんなことさせないし」

――ウゼエ

「じゃあアナタがいなくなれば静雄と私は愛し合えるのね。早くいなくなってくれないかしら?」
「それは俺の台詞だよ。君こそ俺らの殺し合いを邪魔しないでくれるかな?」

――ウゼエウゼエウゼエウゼエ

「口では伝わりにくいことがあるものね。だったら私自身で教えてあげるしかなさそうだわ」
「やはり人外には言葉は通用しないみたいだね。いいよ、相手してあげる」
「「でも静雄・シズちゃんを愛してるのは…」」
「だああああウゼエんだよテメェら!!!」

俺はついに我慢出来なくなり自販機を二人目掛けて投げつける。互いに身のこなしが軽いのか難無く避けられてしまった。しかし問題はそれではない。

「さっきからテメェらピーチクパーチクウゼエんだよ。おい臨也!」
「なんだい、シズちゃん?」
「テメェは女子高生相手に何ムキになってやがる!!」
「だってあれは罪歌が…」
「だってもクソもねえ!!テメェはさっさと新宿に帰りやがれ。あとそこのアンタ」
「私のことかしら?」
「そうだ。何だかよく分かんねえけど、その子を返してやれ。ケガさせちまうだろ」
「静雄に言われたらしょうがないわね」

そう言って罪歌の気配がいなくなれば、そこには眼鏡をかけた物静かそうな女子高生が申し訳なさそうにしていた。

「あ、あの…すみませんでした」
「あ?アンタじゃなくて罪歌が、だろ?アンタは何も悪くねえよ」
「でも…平和島さんにご迷惑を…」
「別にいいって。ワリイのは全部ノミ虫のせいにでもしとけ」
「え!?俺?」
「え、えっと…」
「大丈夫だ」

まだ戸惑っているそいつの頭を気をつけてポンポンっとして笑いかけてやる。そしたら幾分か安心したのかコクリと頷いた。

「あ〜何か腹減ったなー」
「シ…」
「…あの!」
「うん?」
「宜しければ、一緒に…ご飯食べませんか?」
「おう、いいぞ」
「あっ、ありがとうございます!」
「じゃあとりあえず行くか」
「はい!」

その後俺と園原という女の子は一緒に飯を食いに行く途中でトムさんと合流し、いつも通りの日常に戻っていった。

――そういや臨也は帰ったのか?


アナタと私とあの子と…アイツ?
(新たなライバル登場!?)
(平和島さんはやっぱりかっこいいな)



2010.0611


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