2014/05/14 00:31
リハビリ(笑)

あまりにも短いので、どこにでもなくここにそろっとアップですよ。

「口内炎が痛い…」
書類に向かっていたはずの綱吉が、不意にポツリとそう漏らして手を止めた。
「あ?なんだって?」
向かいのソファに座って別の書類に目を通していたリボーンが、そのつぶやきに気付いて顔を上げる。
するとそこには、痛みをこらえているのか口を半開きの状態にして虚空を見つめている綱吉の姿があった。
「だから、口内炎が痛い…」
そうして虚空を見つめたまま、リボーンの問いにまたポツリと答える。
しかし口を開く行為自体が痛いのだろう。綱吉は最小限の言葉だけを告げると直ぐにまた動きを止めた。
「口内炎だ?」
そんな綱吉の様子に、リボーンは持っていた書類を一度置き、眉間に皺を寄せながら綱吉の傍へと近づいてみた。
その歩き方がなんとなくモデル歩きになっているのは気のせいか…
だがそれに突っ込みを入れる気力も無いらしく、綱吉はぼんやりとしたまま無言でただ視線をリボーンに合わせる。
「どれ、見せてみろ」
綱吉の座る椅子のすぐ傍まできたリボーンが、そっと手を伸ばして綱吉の頬に触れると、そのまま指を滑らせ顎を取り、上を向かせた。
「あーんしてみろ」
言われるままに口を開けば、
「どこだ?」
見つけられないのか、リボーンが顔を寄せてきた。
「あー…」
綱吉はここだと教えるように指で自分の下唇をめくるが、特に何かがあるようには見えない。
「どこだよ」
どんなに目を凝らしても、綱吉の示す場所は健康的な色をしている。
どこにもあの口内炎特有の赤味も白い粒も見当たらない。
と、
「ひっかかったな」
不意にニヤリと綱吉が笑った。
「おっ」
そのままガシリと頭を掴まれる。
何だと文句を言う暇もなく、綱吉の唇がリボーンの唇に噛みついた。
「っつ!」
文字通り唇に噛みつかれたリボーンは痛みに顔を歪めるが、綱吉は気にせず傷をつけた部分を慰めるように舐め、さらに口づけを深くしていく。
「…たく、俺の方が口内炎になるじゃねぇか…」
たっぷり数分。
リボーンの唇を堪能して放してやれば、どこかふてくされたような顔のリボーンと目が合った。
「甘えたいなら素直に甘えたいって言え」
そのままおでこに容赦のないデコピンをかまされる。
「痛いよ」
「俺の唇方が重傷だ」
下唇を出して威嚇してくるリボーンに、綱吉は笑って「ごめん」と小さく謝ると、今度はそっと触れるようにまたリボーンの唇にキスをした。

たまにはこちらから甘えたい時もある。
でも、素直にはなかなか言えないから…

それでも君は許してくれるでしょう?
だからお願い。
怒らずに、キスをして…


(終)


つか、僕の口内炎は嘘でもなんでもなく本当に痛いんですけどね…(泣)





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