2016/04/14 20:27
お待たせ!!してますかね?ダイジェスト続きだよー!

はい、間が開きましたすみません。
ようやく続きでございます!
とはいえ、ちょっと短いです、すみません。
まだまだリボーンのターン。
綱吉くんは無事なの?!

てなわけで、いきまーす。


↓↓↓


セブンを撃退し、その体を使って骸との合流を果たしたリボーンは、しかし直ぐにその場を動こうとはしなかった。
「どうしたんです?医務室にはいかないのですか?」
黒幕はそこに居るのだろうと、どこまで話を聞いていたのかはわからないが当然のように医務室へと向かおうとする骸に、リボーンは緩く首を振る。
どうにも何か、腑に落ちない。
骸の言う通り、全てのピースは出そろったように見えた。
敵の正体が知れた今、このまま医務室に乗り込めば、すぐにでも事は終わるだろう。
これ以上の犠牲者も出さずに済む。
そのはずだ。
(けど、何かがまだ足りねぇ…)
だがリボーンは、このまま乗り込む事に引っ掛かりを覚えていた。
これはただの勘でしかないが、このままではまだ時森に太刀打ちできない。
そんな気がしてならなかった。
「骸。てめぇは先に医務室に行って時森を調べろ」
リボーンは骸にそう告げる。
骸ならば、気配を消して相手に近づくこともできる。
それに、他に刺客が居たとしても、骸ならばしばく一人でどうにか出来るだろう。
最悪、体を捨てて逃げることだって可能だ。
「君は?」
「俺はまず移動教室にいる綱吉を確保する」
英都と一緒にいるだろう綱吉をまず保護し、英都をどうにか捕まえて時森の情報を引き出したい。
英都が簡単に口を割ってくれるとは思えないが。
(それでも、何か少しでも情報を得られれば…)
あまりに情報が少なすぎる時森という男の存在。
そんな相手に、何も知らずやみくもに向かっていく事はやはりリスクにしか感じられなかった。
そのためにも。
「しかたないですね…」
リボーンの考えが分かったのか、骸は分かったと頷いて医務室のある方向へひとりで姿を消した。
「気をつけろよ…」
思わずついて出た言葉は、骸に向けたようであり、ここにはいない綱吉に向けた言葉だったかもしれない
「お前たちも、必ず助けてやる」
見上げた先にある、石化されたアーデルハイトの姿。
まだ見つからない炎真も含め、ここにいる生徒や教師たちも、時森を捕まえることができれば、助ける事が可能だろうか。
「可能であってもらわなきゃ困るけどな」
顔を上げ、リボーンは再び走り出した。
「誰も死なせやしねぇぞ」
決意を、心に刻んで。




全速力で移動教室にたどり着いたリボーンは、しかし教室内に綱吉の気配がない事に気づいて眉間に皺を寄せた。
既に授業は始まっている。
ドアに付いている小窓から室内をそっと伺ってみるが、やはり綱吉の姿は見当たらなかった。
それどころか、
(英都もいねぇのか…)
嫌な予感がした。
まさか、二人で抜け出しのか。
もしも綱吉が英都から情報を聞き出すために連れ出したのならそれで構わない。
しかし、
(英都によって綱吉が連れ去られたのだとしたら…)
さらにその行く先が医務室だったとしたら…
(くそっ!)
やはり骸と一緒に医務室へ向かうべきだったろうか…
一瞬、後悔が過る。
だが、
(英都がいねぇ今なら、クラスの奴らから情報を得られるかもしれねぇ)
気持ちの焦りを押さえつつ、リボーンは情報を収集する方が優先だと自身を叱咤し、ドアに手をかけた。
すると、
「リボーン先生、どうかしましたか」
教壇に立っていたはずの教師が、リボーンに気付いて傍にやってきた。
(……)
おかしい。
リボーンの顔が曇る。
まだ気配は消していたはずだった。
ここにリボーンがいると、誰も気づいてはいないはずだ。
現に、生徒たちは突然のリボーンの登場に驚いている。
それなのに、どうしてこの教師だけは気付けたのか。
「何か御用時ですか?」
ニコニコと笑ってリボーンに話しかけてくるが、その様がさらにリボーンの警戒心を強くさせる。
この教師は、どこかおかしい。
特にその浮かべている笑顔だ。
まるで作られたような…。
そう、まるで、英都の浮かべるそれに似て…
「まさか…」
気付いたと同時に、リボーンは後方へと勢いよく飛びのいた。
「きゃあああ!!」
突然の事に、教室に居た生徒たちから悲鳴が上がる。
「リボーン先生、どうかいたしましたか?」
教師はまだニコニコと笑っている。
だがその手には、鋭く尖ったナイフが握られていた。
いや、正確には握られているのではない。
(こいつ、自分の手を…!!)
それまでチョークを握っていたはず手が、手首より先だけナイフに姿が変わっている。
一瞬、スクアーロのように義手でもはめているのかと思ったがそうではない。
明らかに手そのものが、ナイフへと変形したようだった。
(これもクレイドールメーカーの力なのか…
未だ、未知数であるその力に、リボーンは改めて脅威を覚える。
(ますますツナがアブねぇな…)
骸は無事に医務室へと潜入しただろうか。
仮にそこに綱吉が居たとして、無事に保護する事ができるだろうか…
(くそ、やっぱこんな所でもたもたしている暇はねぇ!)
やはり、自分も医務室へ… そうは思うのだが、
「先生、こんな所でいったい何をしているのですか?」
ニコニコとまだ笑みを浮かべたまま、教師が再びナイフを振り上げた。
やはり簡単にこの場からは逃がしてもらえそうにない。
「他の教科の邪魔をしてはいけませんよ、先生。先生は悪い先生ですね」
「……」
リボーンは無言で教師を睨み付ける。
教師は、しかし全く意に介さない様子で振り上げたナイフをリボーンに向けて振り下ろした。
生徒たちの悲鳴が教室だけでなく校舎全体に響く。
後方のドアから、数人の生徒たちが逃げ出そうとした。
恐怖に耐えられなくなったのだろう。
しかし、
「こら、まだ授業中ですよ。教室から出てはいけません」
今度はそのナイフを、逃げ出した生徒に向けて振り上げる。
「やめて、先生!!やめて!!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!
するとすかさず、逃げ出そうとした生徒たちだけでなく、教室に残っていた生徒たちも一斉に謝り始めた。
「僕たちは悪い生徒じゃありません!」
「良い子にします!だから!!」
許してください! 許してください!
(なんだ、こいら…)
一種、異様な光景だ。
生徒たち全員が、教師に向かって土下座をしている。
ありえない、いや、あってはならない光景だ。
「そうですね。君たちは良い子です」
そんな生徒たちの姿に、だが教師はそれこそが正しいと優しい笑みを浮かべる。
「悪いのは、ここにいるリボーン先生ひとりです。さぁ、裁きの時間ですよ」
「…なに?」
裁き、と聞いて生徒たちの顔が凍り付いたのが分かった。
なるほど、それを恐れていたのかと理解する。
理解はするが、
「いったい何を…」
尋ねようとして、だがそれより先に教師が再びリボーンに切りかかってきた。
「くっ!」
咄嗟に体をひねって逃げるが、腕に鈍い痛みが走った。
ナイフの切っ先が触れたのだ。
切れ味の良いそれは、リボーンの上等なスーツを簡単に切り裂いた。
裂かれたスーツの下からは、同じ角度で切れているシャツと、そしてシャツを貫通してナイフが触れた肌からは、じんわりと血が滲み出ている。
(やってくれるじゃねぇか)
こちらは引退して綱吉の専属についたものの、もともとはフリーのヒッマンだ。
そう易々とこの身に触れる事が出来るとは思ってもいなかった。
それとも、ここ数年の現場から離れたのんびりとした生活のおかげで、少し感覚でも鈍ってしまったのだろうか。
それを言うと、「何が現場を離れただよ、現役バリバリじゃないか!」と綱吉の突っ込みが飛んできそうな気はするが、あいにくこの場に綱吉は居ない。
そう、居ない。
ならば、ここにはもう要件は無い。
だがそう簡単にこの場を逃れる事も、できそうになかった。
「ちっ」
「おや。さすがはプロ。この一撃ではその程度の傷しか負わせられないようですね。ならば…」
「?」
ニタリと微笑み、教師はおもむろに左手を持ち上げると、勢いよく振り下ろす。
「!!」
すると下ろした左手が、右手と同じようにナイフへと変化した。
「これが本当の二刀流ってね」
「飯が食いづらそうだな」
「御心配には及びません…よ!」
軽口を言い終えると同時に、二本のナイフがリボーンに襲い掛かってきた。
左右から切りつけられるそれを、リボーンはいなすように腕で避けながら自身の懐に手を伸ばす。
「銃を出す暇なんて、与えません」 「どうかな」
今度はリボーンがニッと唇の端を持ち上げた。
その余裕に、教師が苛立つ様子が見える。
有利に責めているのはこちらだ。
余裕などひとかけらもないくせに、なぜ笑っていられるのか。
「それは簡単だ。俺がこの戦いに勝てると確信を持ったからだぞ」
「戯言を…!おとなしく貴方も彼の元で石になりなさい!」
教師がナイフを大きく振り上げる。
だがその大きな隙を、リボーンは待っていた。
振り上げた腕の隙間を狙い、リボーンは教師の懐に飛び込むとその額に銃口を当てる。
「セブンってやつの弱点はここだったが、お前はどうだ?」
「馬鹿な!!」
銃を取り出すような行動は一度も無かった。
それなのに、どうしてこの男は自分に銃口を向けている?
驚愕している男の眼前で、リボーンはそっと笑みを浮かべた。
「馬鹿だな。銃が一丁だけのはずがないだろ?」
言いながら、空いた手にも続けて小銃が握られた。
小銃は、リボーンがいつも愛用している銃の他に予備としていつも持ち歩いているものだ。
スーツのあちこちに忍ばせたそれは、ちょっとした手品のような仕掛けでいつでも手元に握れるようになっている。
「終わりだ」
ガウンッと一発。さらに追って二発。
校舎に銃声が響く。
額に二つの大穴を開けた教師は、そのままドサリと崩れ落ちた。
しかし、撃ったはずの額から血が流れることは無い。
「やっぱり同じか」
やはりセブンと同じようにそこに核があったようで、ほどなくして教師は土の姿に戻って行った。
だが、教室のざわつきは収まらない。
大変だ。
先生がやられた…。
あの人がくる。
次はあの人が…
今度はそんな声が聞こえてきた。
何を言っているのかと教室を見渡す。
すると、
「あーあ。やっぱり使い捨てはその程度でしかないか」
ガシャンと教室の窓が派手に割れ、外部から何者かが浸入してきた。
「ちっ」
その姿を見て、リボーンは何度目かの舌打ちをする。
「ふふ。やっぱり先生に聞いていた通り、君は強いね、リボーン」
「気安く俺の名を呼ぶな」
教師に向けていた銃口を、まっすぐに侵入者へ向ける。
「へぇ。セブンが殺られたって聞いたから、まさかとは思ったけど。本当にこの顔に銃を向けることができるなんて驚きだよね」
「うるせぇぞ偽物。次から次へと」
ガウンッと一発、躊躇いもなく撃った弾は綺麗にそいつの額に穴をあけた。
「ああ、残念。俺の核は違う場所にあるから、そこに穴をあけられても…」
しかし空いた穴が見るうちに閉じていく。
「全く効かないよ」
「そうみてぇだな」
まったく嫌になる。
この顔と、今日は何度戦わなければならないのか。
吐くようにため息をつき、リボーンは改めて男に銃口を向け直す。
その顔は、セブンと同じ。
つまりは、己のボス。
沢田綱吉とまた同じ顔をしていた。

(続く)


はい。
てなわけで今回はここまでです。
ほんとは…もう少し先までいきたかったんだ…
でも、教師が以外と頑張っちゃったんだ…
そんなこんなで次回も戦闘シーンがまだまだ続きます…
ここでね、ちょっとキーマンが出てきますよ。
次はそこまでいきたい!

頑張りまーす!





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