2015/03/20 23:42
失速したぜスミマセン…ダイジェスト久々にいきまーす

てなわけで、すみません時間が空きましたが前回の続きです。
今回はいよいよ核心部分に触れていきますよ。
これでようやく中盤…かな。
続きもサクサクと行きたいです。
頑張ります。
ではでは、どうぞですー


↓↓↓


「顔以外はちっとも似てねぇがな」
吐き気がする。
ジョットの次は、綱吉の顔にそっくりの敵だとか、ふざけるにも程がある。
(幻覚…ってわけではなさそうだな…)
ジリジリと距離を取りながら、リボーンは突然現れた綱吉にそっくりのそいつを観察した。
どうやら骸の作り出す有幻覚のような存在ではないようだ。
有幻覚ならば綱吉の気配をもう少し纏っていてもいい。
だが、目の前のそいつにはそれが無い。
だとすると、いったい何者なのか…
「お前が時森大地本人なのか」
試しに聞いてみた。
「違うよー、僕はセブンだって言ったでしょ。大地先生は俺たちの先生」
「俺たち?」
「そう。俺と英都、それから、たくさんの仲間たち」
「……」
他にも仲間がいるのか。
リボーンの眉間に険しい皺が寄る。
まさかその仲間たちと言うのも、ボンゴレ関係者の顔をしているのだろうか。
だがいったい、なんのために…
(意図がまったく掴めねぇ…)
やはり直接、時森という人物に会うしかなさそうだ。
目の前にいるこの人物に聞いたところで、まともな返事がもらえるとは思えない。
するとセブンと名乗った男は、綱吉の顔からは想像ができないニタリとした笑みを作り、
「先生に会うつもり?」
あろうことか、両の手に炎を灯した。
「!?」
オレンジ色に輝く炎。
だが、その色は綱吉が本来生み出すような温かみのある炎ではない。
綱吉の炎が全てを包み込むためにある炎であるなら、セブンの作り出した炎は破壊を生むためだけの炎に見えた。
「それで綱吉を真似たつもりか…」
フッと鼻で笑う。
顔は確かに似ているが、とんだ偽物だ。
「だいいち、綱吉はハイパーモードになった場合、両手より先に額に大空の証の炎が灯るんだぞ」
見れば、セブンの額には大空の炎がない。
これでは、身代わりにもなりはしない。
もしも時森が偽物の綱吉を使いボンゴレの乗っ取りでも考えていたのだとすれば、この出来では失敗作もいいところだろう。
すると、
「そうだよ。俺は失敗作だ」
燃え広がる炎を見つめ、セブンはまたニィと口端を上げた。
「…?」
「だけどね、このくらいの役には立たないと。俺に残された道は、もう廃棄しかないんだ!」
「どういう…」
意味だ。
尋ねようとして、しかしそれ以上は口に出来なかった。
「はああああああ!!!!」
「くっ!」
轟々と燃える炎を灯した手が、リボーン目がけて全力で襲い掛かる。
リボーンは最小限の動きでそれを避けると、懐に忍ばせて置いた銃に手をかけた。
「ちっ!」
そのまま向かってくる拳に一発銃弾を撃ち込む。だが、
「?!」
撃たれた手を気にすることなく、セブンはそのまま腕を振り上げた。
(まさか…!)
当たらなかった訳ではない。
弾は確実に、セブンの手を貫通しているはずだ。
しかしセブンの顔は痛みに歪む事もなければ、撃たれた手を庇う事すらしない。
そうまるで、撃たれてなどいないかのように…
(痛みを感じないのか…?)
そんな馬鹿なと思いつつ、二発目を撃ち込む。
鈍く肉を抉る音を立て、二発目も綺麗に弾はセブンの手を貫通した。
けれども、セブンの動きは止まらない。
(おかしい…)
痛みを感じないにしろ、撃たれたのならどこかしらに弊害がでてもいいはずだ。
それなのに、全く何も変わらない。
撃っていないのかと勘違いするほどだ。
(どうなってやがる…)
リボーンは素早く視線を動かし、殴りかかってくる手を確認した。
確かに、穴は開いている。
リボーンの弾は当たっている。
ただひとつ、不可思議な事があった。
(血が…)
全く滲んでいない。
怪我をしたはずの箇所は、まるで空洞のように穴が開いたままだ。
(まさか…)
彼らは、人間ではないのか?
「ちっ!!」
確かめるために、リボーンはその心臓を目がけて引き金を引いた。
ドスッと体に弾の当たる音が聞こえる。
リボーンの弾は、一ミリの狂いもなく心臓を貫いた。
その瞬間、ピタリとセブンの動きが止まる。
ガクリと体が斜めに崩れた。
さすがに心臓を撃ち抜かれれば止まるか…
そう思ったのだが…
「ふふ。残念でした。この程度じゃ俺は止まらないよ」
前方に倒れた首を、ゆっくりと持ち上げる。
胸には確かに穴が開いているが、やはり血の一滴も出ていない。
セブンはケタケタと笑いながら、綱吉と同じ顔を醜く歪ませた。
「君の攻撃は、俺には通用しない」
「……」
「だから…」
笑っていた顔が、急にその表情を落とした。
「ここで大人しくクタバレ!!!」
ブンッ!と両手を大きく振り上げる。
リボーンは、敢えてそれを避ける事はせず、黙って相手を見つめた。
その目が、何かを探す。
「あああああ!!!」
振り上げた両手が、リボーンの頭を目がけて振り落とされた。
「これで終わりだ!!」
叫んだのは、いったいどっちだったろうか…
「カオスショット」
リボーンがセブンに向け、まっすぐに引き金を引いた。
それを合図にするように、いつの間に仕掛けていたのかセブンの足元の土がボコリと盛り上がり、銃弾が飛び出す。
その弾が、一ミリの狂いもなくある一か所を狙った。
「まさか!!」
セブンは咄嗟にソコを庇おうするが、既に遅い。
「カオス、だな」
リボーンが銃を懐に戻すのと、放たれた全ての銃弾がセブンの額に打ち込まれたのは、ほぼ同時だった。
「ば…かな…。ど…して…」
どうして、ここが弱点だと分かった。
信じられない物を見るような目で、セブンがリボーンを睨み付ける。
だが、そこまでだった。
セブンの姿が割れた額を中心にして崩れていく。
ボロボロと崩れていくのは、土の塊だ。
「土人形…か?」
「う…あ…」
まだ辛うじて動いている目が、何かを探す。
「せん…せ…」
小さなつぶやきは、けれども誰に届く事もない。
そのまま、セブンはただの土に戻ると、ピクリとも動かなくなった。
「まさか、人形が意思を持って動いてたのか…」
完全に動かなくなった事を確認し、リボーンは土の塊に近づく。
綱吉の特徴である額の炎が灯らなかった時、ただの模倣の失敗なのだと初めは思った。
だがすぐにリボーンは、炎が灯せないのは他の理由があるからではないかと疑った。
ここまで綱吉にそっくりな出来なのだ。
それなのに、額の炎が再現できないはずがない。
予想は当たった。
額には、核に使われたと思われる煉瓦のような物が埋め込まれている。
何やら見慣れぬ文字が無数に刻み付けられているようだ。
それが、人格を形成するための何かなのだろう。
恐らく、核となるこれが額にあるおかげで炎が灯せなかった。
そして、
「英都にも、これと同じ核があるってことか…」
セブンは確かに英都も兄弟だといっていた。
ならば、英都にも同じものが埋め込まれているのだろう。
つまりは英都も、これと同じ土人形と言う事か。
「人形にしちゃ、できすぎだがな」
だが聞いたことがある。
土人形師、いわゆるクレイドールメーカー。
世界中にいるその職人の中の、ごくわずかな者に伝わる、秘伝。
作った土人形に魂を込め、まるで人間と同じように動く人形が作れる者がいる、と。
錬金術師が関わっているとの噂もあるが、詳しくは分からない。
ただひとつだけ確信した。
時森大地は、土人形を自在に操るクレイドールメーカーだ。
「その技術でアーデルたちも石像にしたのか」
ここにいる人間全てが、時森によって石の中に閉じ込められたのだろう。
恐らくは見せしめ。
自分に逆らえばこうなるのだと、学園内の人間に恐怖を植え付けた。
だから誰もが口を噤み、英都の話題にも触れたがらなかったのだ。
「くそっ、ツナがあぶねぇ…」
ここでセブンの正体がリボーンに知られた事は、時森にもすぐ伝わるだろう。
そうなれば、どう動くかわからない。
事態が急変する可能性もある。
「急がねぇと」
リボーンは舌打ちし、ポケットから再び物を取り出した。
「機会があれば使おうと思っていたが、早々にその機会が来たらしいな」
取り出したのは小さなナイフ。
しかしそれは、ただのナイフではない。
「骸、こいつに憑依しろ」
そう言うと、リボーンはセブンの土の塊と煉瓦にそのナイフで傷をつけた。
すると、崩れていた土の塊が再び形を取り戻し始める。
「クフフ…」
だがそれは、元の綱吉を真似た姿ではなく、
「ていうか、まさかの土に憑依させないで下さいよ。無機物でビックリしました。できたから良かったですが」
「元々その土は人として動いてたんだ。大丈夫だろ」
現れたのは、綱吉の霧の守護者。
六道骸だった。

続く


ほい!
骸登場!!
ラストにやってもらいたい事があるからね。
どしても必要でした。
さて!!ではでは綱吉君助けに行こうか!!
次は再び綱吉君のターンに戻りますよー。

てかもう、普通に連載書いてる状態と同じですな、これ。
本番書きする時、このシーンは多分変わりなくまるっと使うぜ…





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