Hot and Cold


*同棲パロです。



「んっ・・・」

あつい。あつい。

がさがさ。

(あ、つめたい・・・)

ぺたぺた
がちゃん



「ん・・・伊月・・・」
ごろん、と寝返りをうつが、そこにはいつもいるはずの人がいない。
ぼふ、と柔らかい布団に跳ね返されるだけだった。
「え?伊月・・・?」

おかしいな、伊月が俺より先に起きるなんて。

時計を見ると、時刻はまだ7時前。いくら休日だと言えども、早い。
珍しいこともあるもんだなぁ、と思いながら暖かい布団から抜け出した。
ガチャリ、と寝室のドアを開けると、冷たい風が体に吹き込んでくる。
あれ、おかしいな。いつもなら、伊月が先に起きたなら、朝食を作ってくれてるのに。
まぁいつもの休日の朝食なんてもっと遅い時間なんだが。

「伊月〜?」
キッチンをのぞいて驚いた。
そこには床にぴったりと体をくっつけて寝ている、伊月の姿が。
心臓が大きく跳ねる。あれ、どうしてこんなところに、あれ。今朝布団にいなかったのって・・・
「おい!伊月!おい!」
激しく声を掛けるが返事がない。心なしか、血の気も薄い。
「おい!おい!しっかりしろ!」
ゆさゆさと肩を揺さぶると、「ん・・・」と伊月のまぶたが開く。あぁ、良かった。生きてて良かった。
「ひゅ・・・が・・・」
「どうしたんだよ!どこか痛いのか!?」
「ちがう・・・あつい・・・ここ、つめたい・・・」
あつい、あついと繰り返す伊月の瞳はとろんとしていた。あ、これってもしかして。
「ひゃ・・・」
「ごめん、あ。熱あるな・・・」
「うそ・・・」
伊月のさらさらの前髪をめくり、おでこに俺の手をくっつるけると、すごく、とても、それはとてもあつかった。
よいしょ、と俺は伊月の肩を抱えて、立ち上がる。
「ひゅうが・・・」
「熱、計ろうぜ。関節とか痛くないか?」
「あ・・・ちょっと、いたい・・・」
季節は冬。関節が痛い。これはもしかすると、インフルエンザかもしれない。
幸い今日は土曜日。午前中なら行きつけの病院もあいているはずだ。
リビングのソファに伊月を横にさせる。
体温計、体温計、と・・・
「ひゅ、が・・・」
「なんだ?どっか痛い?何か飲みたい?」
「ちがう・・・ごめん、せっかくの・・・やすみ・・・」
体温計を手に戻ると、とろんとしていた目から涙を潤ませ、こちらを見つめる伊月。落ち着け俺。落ち着くんだ、俺の理性!
「いいよ・・・たまにはこんな日も、な。」
「でも・・・」
「とりあえず午前中は病院行こうぜ、車だすから。」
「うん・・・ありがと。」
「何か食べたい?病院の帰りにスーパーでも寄るか、ってしんどいか・・・」
「うん・・・」
ってことは、病院に行って薬を飲まして、コイツが寝てる間にでも買い物に・・・俺は今日一日の予定を考える。
ピピ、と体温計の音がして現実へと引き戻された。
「あ・・・39ど・・・」
「うわ、だいぶあるな。着替え、とってくるし、ちょっと待ってろよ!」



病院に行って診察してもらって、
薬飲まして、
ゆっくり寝かして、
買い物。
ボカリとかいるかな?
まぁたまにはこういう休日も悪くないな、たまには、だけど。





(着替えれるか?)
(うん・・・)
(お、落ち着け俺の理性・・・!)
(ひゅうが?)




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この話を御沢で書くか日月で書くかものすごく迷って、最終的にこの二人に・・・
風邪ひいてる伊月は絶対えろい。


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