海の孤独
ゆらゆら
ふわふわ
きらきら
ここは、どこだろう。
よく知っているようで、よく知らない。
ふわふわ
きらきら
ゆらゆら
(・・・セルジュ・・・セルジュ・・・)
あ、誰かが僕を呼んでる。誰だろう。キッドかな、それともグレン?
違う。これは違う。
よく知っているようで、よく知らない。
そんな・・・
「・・・フェイト」
(・・・セルジュ、私は間違っていたのか。そもそも運命の書というものが間違っていたのか。)
「ごめん、フェイト・・・僕には君のしたかったことはよくわからなかった。この小さなエルニドで、君が何をしたかったか、僕は理解できなかった。ごめん、フェイト・・・」
きらきら
きらきら
きらきらと揺れる光が強くなる。あぁ、ここは海だ。
昔溺れて死にそうになった、あの海。
一人で海に漂う、孤独感。
死の恐怖よりも強い、孤独感。
孤独感という嫌悪感が僕を支配する。
(・・・ルジュ・・・セルジュ・・・セルジュ・・・)
僕の名前を呼んでくれるフェイト。
まったく、君は運命の神様なのになさけないな。
「フェイト・・・フェイトもこっちに来て?」
(・・・あぁ、今行く。」
「一人は嫌だな、孤独だし。」
きらきら
ゆらゆら
ゆらゆら
ゆらゆらが今度は強くなる。あぁ、フェイトが来る。もうすぐ。
そっか、僕らは・・・もとにあったものを海に返された、のかな。
フェイトきっとそうだよ。
二人で海に帰ろう。