Let's go!
とんとん
「あ?」
朝のホームで電車を待っていると、いきなり肩をつつかれた。
振り返ると方耳だけイヤホンを外し、こっちを見ている勝木と目があう。
「・・・んだよ。」
「露骨に嫌な顔すんなよ、てか肩叩く前に俺何回かお前のこと呼んだんだけど。」
俺は両耳からイヤホンを抜き取り、勝木の話を聞く。呼んだ、って・・・俺呼ばれた記憶ないのに何を言っているんだ、コイツ。
「あれだろ、どーせ音楽大音量で聞いてたんだろ。」
「あー・・・」
俺が外したイヤホンからは今もシャカシャカと音楽が流れている。
「つーか、イヤホン代えたんだな。」
「あ、これ衝動買いってやつ?安くでてたし新しいやつだし。」
「イヤホン何個目だよそれ・・・八芝イヤホン持ちすぎ、な。」
勝木がつんつんと俺の肩を叩く。くすぐったい。
がたがた、と電車がホームにやって来た。
ぷしゅー、というあの音とともに人がたくさん流れる。
「俺、新しいイヤホン欲しいなー・・・」
電車に乗り込む瞬間、勝木がそう言った。
(・・・一緒に買いに行くか?)
(行く!!!)