解かれよ!


「ふぅ・・・」
時計を見ると0:02。日付がかわってしまった。
いよいよ明日から期末試験。俺もそれなりに勉強中な訳で。
眼鏡を長くかけていたので、目がかなり疲れてしまった。
眼鏡をはずし、一度ぎゅっと目を瞑る。

ベッドの方からテンションの高い音が聞こえる。あ、ケータイ・・・
俺は眼鏡をかけなおし、ケータイを手にとる。誰だよこんな夜遅く・・・

「はい。」
『あ、もしもし?八芝?』
「はい八芝です何でしょうか勝木さん。」
『いやあのさ、化学でわからねーとこあってよ。今いいか?』

え、化学?化学なんてお前の方が得意だろーがと言うつもりだったが、勝木に問題集のページを指定されとりあえず開いた。


『あのさ、このにさんかなんとか、って何て読むんだっけ。にさんかなんとかそだよな、なんだっけなー』
「は?ふざけてんのか、炭素だ、たん!」
『おう、さんきゅーじゃ次は・・・』

本気で電話をきってやろうかと思った。しかしすでにペースは勝木のもの。ふざけやがって・・・!

『これ、何すりゃーいいんだっけ。』

次は『蒸』留をする、の最初の文字。
次に指定されたのは『微』量の塩化〜
次は勝木からの質問で『オームって他に読み方あったよな、最初の二文字思い出せねー』『オメ』ガだ、バカ野郎。
さらに次はファラ『デ』ーの法則。
次はギリシャ数字で3は『ト』リ


『あ、次で最後。わりぃな、長く付き合わせて。原子番号92の最初の文字ってなんだっけ』
「・・・ウラン。」しばらく沈黙がおとずれた。
俺の視界も少しくもった。


「勝木、ありがとう。明日からテスト頑張ろうぜ。」『お、おぅ・・・誕生日おめでとう。』
「ありがとう。じゃぁな。」



こんな変わった祝いの言葉は初めてだよばーか。



不器用な君からの、炭蒸微オメデトウ




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3000Hitのフリー小説です
化学の参考書見ながら書きました(笑)

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