儀式は誰もいない屋上で
「あっちー・・・」
日が照りつける渡り廊下、あー今授業中だし教室はさぞ涼しいんでしょう。
そう、俺勝木は今日も遅刻しました。いい加減指導されそうです。
「八芝、ってきてんのかな・・・」
同じ遅刻仲間、でまぁ恥ずかしいけど俺の恋人、八芝のことを思った。
どーせあいつも遅刻だろ。しらねーけど。
なんかもう授業受けるのめんどくさいし、俺はさぼりを決め込んだ。
教師に見つからないように、校舎と校舎をつなぐ渡り廊下を歩く。
冬は寒くて夏は暑いとか最悪すぎるな。
一番ぼろい校舎を俺は目指した。
「あー・・・あっつ。」
日が照りつける校門。あー今日も遅刻しました。八芝です。
いい加減指導されるかもねーもう知らねー
とりあえず授業受けるのもめんどくさいし、俺は一番ぼろい校舎を目指して歩いた。
「勝木、ってきてんのかな・・・」
遅刻仲間でまぁ・・・俺の恋人の勝木のことを思い出す。
どーせ遅刻だろ。昼からくるだろ、しらねー。
一番ぼろい校舎の階段を静かにのぼる。教師に見つからないように。
これより上は立ち入り禁止と書かれたチェーンを飛び越え、古い南京錠を適当にいじってやると、ここの鍵はあく。
そう、屋上の鍵。
ま、こんなこと知ってるの俺と勝木ぐらいだけど。
ぎぃ、と重たい音をたてて扉が開く。だって重たいし。
「あ。」
「・・・あー」
どうやら先客が、俺の恋人さんがいたらしい。
お互いまた遅刻かよ、というような目をしている。
「今日、あちーな。」
「今日も、だな。」
「はいはい。」
俺たちは屋上の隅の方の影に二人ならんで座った。
「何時間目から行く?」
「俺化学の単位やばいから5から。」
「昼からじゃねーかよ・・・」
だったら昼からきてもよかったんじゃないのか、と勝木につっこみたくなった。
「あー暑い。」
「暑い、な。」
とりあえず、あと3時間はここに二人っきり。
(・・・なんか、なんか。)
(なんだよ。)
(せっかく二人っきりなのに、な。)
(誘ってんのか?)
:)儀式は誰もいない屋上で