暑い。暑い。服がじめじめする。靴の中が蒸れてしょうがない。
ダムダムとボールの跳ねる音がする。きゅっとバッシュのこすれる音もする。
なんだか暑くて、意識が朦朧とする。


「コラァ!黒子!倒れんな!」



..............


「・・・こ、黒子、黒子!」
「おい、いつまで寝てるんだよ。」


「あ、すいません・・・」


「すいません、じゃねーだろ、だアホ。いつものことながら急に倒れるなよ。」
「暑くて・・・すいません。」
「おいおい、大丈夫かよ。ぼーっとしてるぜ。」


大陸の辺境にある島々。ここはそんな島の田舎の村に昨年できたばかりの学校、『誠凛高校』である。
黒子テツヤはそんな誠凛高校に今年入学してきばかりの一年生。さきほど黒子を叱っていたのはバスケ部キャプテン、日向である。
学校もあまり大きくないので部活の数も少なく、黒子は昔から好きだったバスケ部に入部した。

しかし時は夏。暑い。暑すぎる。体育館の中はむしむし、じめじめする。
黒子は練習中に今日も倒れ、保健室へと連れてこられていた。

「今日も火神がここまで運んでくれたからな。」
「後でお礼を言っておきます。」
「じゃーちょっと向こうの砂浜まで走ってこいよ。」
「・・・え?」
「え、じゃねーよ。なぁ。お前も少し体力つけろよーと思って。俺なりに心配して言ってるんだぜー?」

日向の笑顔が怖い。なんだか裏をすごく感じる。

「・・・わかりました、行ってきます。」
「あ、あと全員分のジュースもよろしく。」
「!?はい・・・」
「あ、あと火神も浜まで走りに行ってるし、会うと思うぜ。帰りは一緒にジュースを持ってもらえよ。」

・・・最後の言葉に少し感謝した。



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