▽ SS詰め合わせてみた / かげやち
※かげやち+及川さん
【大事、と独占欲】
「そんなに大事なら首輪でもつけて何処にも行かないようにしたら?」
余りにも慌てて俺の視界に入らないようにした上で割って入り威嚇してくる飛雄が珍しくてからかいでそう言えば、目を真ん丸くして「谷地さんは犬じゃねぇからんなことしません。それにそんなんしたら谷地さんじゃなくなる」と宣う。
………なんなの、高校生になってバカに磨きでもかけたのこいつは。
案の定後ろからは姿は見えないけどその発言を受けて「うひぇっ!?」と悲鳴が聞こえる。
……何だろうなぁ、俺より残念なものに好かれて残念だねヤチさん?
(自覚のない独占欲ほど罪深いものないんだよ、飛雄)
【君の傍】
バレーボールの音、ぐんぐん牛乳、小テストの紙。
次は試合会場、手摺からの景色、救護室。
その次はベンチ、スコア、試合の時の熱い空気。
次はどんな景色が、物が、事象が見れるのかな。
きっとまたキラキラしたものなんだろう。
そして変わらず君の癖になってしまった眉に皺寄せた表情を見ていたい。
※未来。同棲設定。
【君といつもいるという盲点】
うっかりいつも通りにしたら、自分一人じゃ食べきれない炊きたてお米の出来上がり。
そうか昨日から彼は遠征に行ってるんだったと自分の迂闊さを呪いながら冷凍庫にご飯を入れ、彼に『炊きすぎました…』とメールを送ってみた。
そしたら『俺も谷地さんの飯食べたい』と返ってきて嬉しくなってしまった。
(案外彼は人を喜ばせるのが上手いのかもしれない)
※ヤンデレ影山くん
【鳥籠】
影山くんは私を間違えている、と思う。
「谷地さんは、キレーだから、汚しちゃいけねぇから」
と大事にしてくれようとする。嬉しい。
…けどね。もう私はずっと影山くんがプレーする姿を見てないの、笑顔も見てないの。
お願い、私の事綺麗だなんて思わなくていいから、…此処から出して?
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