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▽ 捕食者かサディストか






※おうちデートなかげやちのはずが。高校3年くらい。




目がきれいだなぁ、と影山は谷地の目を見る度に思う。
身長差の為、いつも谷地と影山は彼女が彼を見上げるように会話をする。
それだからか日の光が彼女の目の中のレンズを反射してキラキラと光を零れ落とす。
それはビー玉のようで、それでいてソーダ味や黒糖の飴玉に見えてしまうこともしばしばで喰いたい、と欲求が影山に襲い掛かる。
が、それは人としてもダメだろう、と彼も自分も戒めていたが人間、我慢がいつ限界を迎えるかは分からない。
影山にもその我慢の限界が唐突に来た。
自身の部屋で、和やかに話していたはずが、(正確には彼女の話に相槌をうっていたが正しい)気がついたら谷地の眼球べろりと舐めてしまっていた。
当然谷地はビックリするし、慄く。
身体は小刻みに震えているし、舐めている舌先に目の味とは別に新しい液体が届く。
…涙だ。
ああ、彼女を泣かせた、と遠いところでまるで他人事のように影山は知覚する。


「っひ?!やだ痛いよ影山く…!!」


漸く泣いた彼女を解放して全体を目に収めた。
可哀想なことをした、ごめん、と彼は謝りながらぎゅう、と腕に彼女を収めながら背筋をゾクゾクと駆け抜ける何かを気付かない振りをしなければ、と影山は悟った。


(それはもしかして、捕食者がサディズムに目覚める瞬間だったのかもしれない。)


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