「誰が好きなの?」
「は?何だよいきなり」
「だから、誰か好きな人はいないのかって聞いてるの。クラスの女子とか」
「い、いないことはないけど」
「ふーん。で、その人の名前は?」
「……す、鈴木さん」
「せーのっ、藤堂平助は同じクラスの鈴木さんが好きなんだってー!」
「おい総司!でっかい声で言うことねぇだろうがっ!?」
「いいじゃん別に。一くんは?」
「お前に言う必要はない」
「てことは好きな人いるんだ」
「黙れ」
「僕も言うから教えてよー。おあいこでしょ。平助も言ったんだし、ほらほら」
「……ゆ」
「あ、ゆかりちゃんね。そうだよねースタイル抜群だもんねー」
「違う!同じクラスではなくてだな。ゆき――」
「あぁ!ゆきえちゃんね!確かにかわいいけど、かなり人気あるからファイト!」
「おい!いいかげんに」
「総司は誰かいんのかよ?俺らにばっか聞いてさ」
「ん?僕?そんなの決まってるじゃない。雪村千鶴ちゃんだよ。知らなかったの?でも今知ったよね。そういうことだからよろしく」
「…………」
「……総司、一くんが何か言いたそうだぞ。お、俺は関係ないからな!」
20110606
おそらく部活帰りの男子高校生三人組が、友達の好きな人の名前を大声で叫んでからかっていた。険悪な雰囲気ではなく仲良さそうで青春を感じる!