それは、長い雨がやんで百日目の夜のことでした。

 草木の生い茂った小道の向こうから、ふたつの影が近付いてきました。ふたつの影の正体はカエルとコオロギでした。

 カエルの名まえは、バリエ・ケランドフ。
 コオロギの名まえは、ブラック。

 カエルはどんなカエルでも、長くてカッコいい名まえを子どもにつけるのが大好きです。それなのに、子どもがたくさん生まれるので時間がかかります。名まえをつけ終わるころに、新しい子どもがまた生まれてくるので、カエルのお父さんはいつも子どもの名まえを考えているのです。

 反対にコオロギはあまり名まえを考えるのが得意ではありません。だから、知らないうちに同じ名まえの子どもが何人もいることがあります。

 そんな違いがあってもふたりは仲良しでした。
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