僕にとって貴女は完璧に思えました。

 まるで、一知半解な知識しか持ち合わせて居らぬ癖に全てを見知ったように達観した眼差しの僕の中の宇宙の隅々までを一から十まで語り尽くせる程に。貴女は、僕を作り上げた創造主の様でした。

 そんな僕たちは第三者から見ればおおよそ不均衡に違いありませんでした。

 その証拠に、街なかに出たならばすれ違う人々が笑いを零すのです。溢れ出す感情を抑えることが叶わず、空から滴り落ちる雨の様にごく自然に僕らにそれは降ってくるのです。

 正しく物事を捉えられぬ僕にとっては、それは心に影を落すだけの存在で次第に僕の心を蝕んでゆきました。そんな時、貴女は優しく僕の身体を撫で大丈夫よ、と囁くのでした。

 それだけが僕の救いであり、支えでした。こうなっては、僕はもう貴女無しでは外の世界に踏み入れることすら出来ないのでしょう。愛している。そんな次元ではなく、日を追うごとに僕は貴女無しでは生きてゆかれぬことを思い知らされるのです。

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