憧憬や嫉妬。
誰かを羨ましく思うことは、人間が抱くごく当たり前の感情ですが、それは酷く自分を見下した失礼な行為だと思うのです。
今の自分の世界に満足出来ず現実から眼を逸し、誰かの世界に夢見る行為は、けして建設的とは言えません。
そんな風に、誰かを羨む前に、自己嫌悪と自分への情けなさを味わう前に、他の誰でも無い自分しか生きることを許されない限られた自分の世界を、未来を、真直ぐ見て欲しいのです。
その世界に自分にとって、何かが足りないならば、満足出来ないならば、生きてゆくために闘うべきなのです。
――憧憬と嫉妬
誰にも持っていない、私だって持っていない、ずっとずっと素敵なものを貴方は持って居るのに…どうして気付かないの?
そうして、自分を置去りにして、誰かを羨む貴方を見るのは何だか、寂しいよ。
私だって、貴方が羨ましいのに。
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