▼ ぼくのなまえ-4
むらさきのダーバンをまいたかれを見ると、ぼくは何だかほっとしたきもちになる。いままでにないくらい、あたたかいきもちに。
「どうかしたかい? 」
かれはふしぎそうにくびをかしげた。
「な、なんでもない」
ぼくがつんけんとそう言うとかれは「そっか」と言いほほえんだ。かれがほほえむと、かれのやさしげな目はやわらかくほそめた。
「ねえ」
その目を見たらことばがかってにくちからこぼれる。そしてそのことばはとまらない。
「ぼくも、つれてってよ」
そう言うとふたりは目をまるくして、顔を見合わせてわらった。
「じゃあよろしく、スラリン」
ぼくのなまえ
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