ぼくのなまえ-4




 むらさきのダーバンをまいたかれを見ると、ぼくは何だかほっとしたきもちになる。いままでにないくらい、あたたかいきもちに。

 「どうかしたかい? 」

 かれはふしぎそうにくびをかしげた。

 「な、なんでもない」

 ぼくがつんけんとそう言うとかれは「そっか」と言いほほえんだ。かれがほほえむと、かれのやさしげな目はやわらかくほそめた。

 「ねえ」

 その目を見たらことばがかってにくちからこぼれる。そしてそのことばはとまらない。

 「ぼくも、つれてってよ」


 そう言うとふたりは目をまるくして、顔を見合わせてわらった。




 「じゃあよろしく、スラリン」


ぼくのなまえ




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