仮面舞踏会-3




「では、ただ今をもちまして仮面舞踏会を開催します。」

デール王の宣言により、仮面舞踏会は始まった。

しかし何故だか僕は、

孤立していた。

タバサはつかつかと開催早々に何処かへ行ってしまい、父や母はデール王やヘンリーさんに挨拶をしに行って結果的に僕は一人になってしまったのだ。
よく考えればどちらかについて行けば良かったのでは、とは少なからず思うが、この際仕方がないと歩き始めた。

会場はというと、現在軽やかなワルツが流れておりそれに合わせて紳士と淑女が手と手を取り合い楽しそうに踊っている。

そんな中でひとりだけ、月明かり差し込む裏庭に出ていく女性がいた。

彼女はふんわりとした薄い布を何枚も重ねた様な深い青色のドレスを纏い、シンプルな銀の首飾りをつけていた。後ろ姿なだけに仮面や顔立ちは見えなかった。ただでさえ裏庭は間接照明だけで照らされているため、ドレスのラインも何処と無くぼやけている。


その瞬間、彼女は裏庭へと姿を消してしまった。


  
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