じぃーーーーー。
『‥それで、その噂の洞窟に行ってみたんです。そしたら急に』
じぃーーーーーー。
『まさかあんな事になるなんて!だって私たち本当に‥‥どうしよう‥きっと私の所にも来』
じぃーーーーーーー。
『任務だったんだから‥』
『それにしたってあれはおかしいだろ!』
『あの時の仲間がどんどん‥‥』
じぃーーーーーーーーーー。
「‥なあ、茉莉は何してんだ」
「年末特集の『ほんとにあった怖い話・忍総集編』、かれこれ2時間はあんな感じ」
「うそだろ茉莉が?微動だにせず一言も発せずか‥ありえねー‥」
「時々ビビってるけどな」
「怖いのになんで見るんだ」
「俺が見せた、ホラー系見せると一気に静かになる」
「‥なんで見せる」
「年末で溜まった書類片づけようと思って、なんだかんだ煩くて進まないから。」
「茉莉も怖いなら見るのやめりゃいいのに」
「結末知ってないと逆に怖ぇんだと、出てきそうで」
「馬鹿らし、霊なんているわけねーだろ。非科学的で根拠もない、証明しようもねーしな」
「自分が一回死んでるからじゃねえの?」
「ああそっか、そういやそうだな」
『知らなかったんです、あのクナイにそんな意味があるなんて。今でも感じます、後ろに‥きゃああああ!』
ビクッ!!!
『大丈夫です私が祓って見せま‥ぎゃああああ!』
『きゃあああああ!!』
『ぎゃあああああ!』
『きゃああああああ!!!』
バサッ!ガタガタガタガタガタブルブルブル‥‥ッ
「なあ、あれなんか結末良くないぞ‥」
「だな。」
「茉莉はなんだあれ‥新種の芋虫かよ‥毛布被り過ぎ」
「どっちにしろ数か月は電気付けっぱなしで寝て昼間の単独行動も控えるだろ、やっと俺も休める」
「‥ビビらせてどーすんだ、めんどくせえのなお前ら」
怖いんだけど‥だからこそ見ちゃう