なんと!驚いたことにトリップしてたぜ!的な私。
NARUTOの世界にお邪魔しております。妄想だと思ったら現実でした。
本で見るのと実物はかなり違う!
よりイケメンです!!
これを元の世界でも知っていたらかなりの萌えだったのになんと勿体無いことをしてたんだろうか!?
昨日会ったおじいちゃんが火影様だったのねー、生身の三代目様はマジで普通のおじいちゃん。気付くわけねぇだろー!
兎にも角にもひとつ屋根の下に暮らすナルトはスレナルだったね。エヘ。
おいしい展開にチキンな私は吐き気を覚えつつ、俺様ナルトは早朝からもかっこよい。
NARUTOの記憶を呼び起こそうとするも…さっぱりわからん。今はいつ?
しかも目覚めたら周りにはクナイやら刀やら手裏剣やらが散らばっている…何故に?
そして見上げればすぐそこにナルトの顔がある。勿論怒っている、これが彼の基本状態らしい。
「…片付けろ」
地を這うような低い声だ、心なしか少し寒くなった気がする。しかし、額に青筋を立てているナルトに茉莉から言うことは一つだった。
「お腹空いた。」
だって…朝だもん。
総隊長のご機嫌
こちら、暗部詰所でございます。
里を影から支える暗部たちは主にこの詰所で雑務をこなす。
部屋の一番奥で大きな椅子に座り足を組みながら報告書に目を通す我らが総隊長の、いつもとは違う雰囲気に部下の暗部たちは動揺を隠せない。
「総隊長…なんか今日機嫌いいですよね……地鹿副隊長‥」
こそっと話しかけてくるのは地鹿副隊長、つまり俺、の次くらいに暗部に長く在籍している奴だった。
「あぁ、なんか面白いものを拾ったとか言ってたな。」
朝会って一番に、ナルトはそう言っていた。
“昨日よくわからんが面白いもんを拾った。今度シカマルも見に来いよ。でもお前でも理解できないだろうな、あんな馬鹿のことなんて”
くくっと笑うナルトは何を思い浮かべたのか、変化して詰所に入るまで笑っていた。
任務が入って敵を惨殺した後くらいにしかこんなに機嫌がいいのを見たことがない。
我らが総隊長が一体何を拾ったのか関わりたくないような気もする、というか関わりたくない。
顎に指を当て報告書を読むナルトは今は18歳前後の姿を取っている。
暗部の総隊長であるナルトは全ての報告書に目を通し、火影に提出するとともに新しい任務を受け各暗部隊員に配分するのだが、それだけでは終わらないのが我らが総隊長サマ。
暗殺を生業とする暗部は里のエリートと言っても過言ではないだろう、しかしそのエリートたちが唯一恐れるのは里のトップである火影ではなく目の前にいる総隊長その人一人。
暗部に入ったばかりの頃、ただの隊員時代から頭角を現していたナルトは先輩様方にすぐに目を付けられた。
何を言われようとも軽く受け流し、死ねと言われたような高ランクの任務も文句を言わず引き受けこなしていったナルトのその姿に他の暗部たちは称賛を贈ったほどだ。
しかしまあ、それもある任務が遂行される前までだった。
ナルトをよく思わない暗部の上司たちとセルを組んで任務に当たったナルトだが、何か月かに渡る長期だったはずの任務をわずか数日で終え戻ってきたのはナルト一人。
傷一つなく帰ってきたナルトは恐ろしいほどに清々しい笑顔を浮かべていた。
その報告書には「暗部隊員他全員死亡」の文字。
無造作に机の上に置かれたその報告書を暗部全員が目に焼き付け、そして悟った。
―――逆らったら死ぬ。
ほどなくして総隊長に任命されたナルトはその圧倒的な力とカリスマ性・暗部たちに植え付けた恐怖と畏怖で長くその任に付いている。
逆らう者も意見する者も実際はいないようなものだ、その必要すらないほどにナルトの判断は完璧で隙がないのだから。
頭脳を買われ暗部へと入れられ副隊長の肩書を持つシカマルだが、ナルトが面倒臭がった暗号を解くぐらいしか頭を使うことがない。
人を人と思わず一般人でも女子供にも容赦しない。
任務遂行率は高いがその残忍で無残な殺し方は見るに堪えない、ターゲットである任務対象に同情を覚えるほどだ。
そのナルトが始終笑顔だなんて、誰がハッピーな未来を想像するだろうか。
里の中で誰か死んだとか殺されたとか聞いてないし、里周辺でもそんな報告はない。ってことは余程その拾いものが気に入ったってことなんだろうが、あまり考えたくない。
めんどくせーことにならないことを祈ろう。
終止苦労が絶えないシカマルである。
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