結果としては…
私は死んでない。
…というかナルトは私を殺してないらしい、痛かったのに。
愛に目覚めちゃうから!
茉莉の能力はトリップ前に刺された傷が元で発生した可能性が高かったとか。(←あくまで予想)
偶然チャクラの点穴部分を貫いた刃、そしてトリップが加わりチャクラ回復の能力が生まれた。(←あくまで予想)
ナルトは正確に同じ点穴をクナイで指しチャクラを流して能力を潰した。(←ほぼ実験ってか適当)
ナルトは俺すげぇって言ったけどこれはそんなレベルじゃない。
点穴の位置を見通せる人は限られる、ナルトはその中には入らない。(←ここすごく注目)
なのにやってのけた。
やってのけた?
違うだろう!
やっちゃった!!が正しい!
完全に……完全に……完っ全に……
『イチかバチかだったんじゃん!!!』
「いいじゃねーかうまくいったんだから」
「なんっじゃそりゃぁぁぁあ!!めちゃくちゃ痛かったのに!死ぬって思って!もう死ぬって!消えちゃうってぇ思ったのに〜!」
懐かしいナルトのアパート。
隠れ家はなぜかボロボロらしいから…
戻ってきたいって思ったけど……嬉しいやら情けないやら悔しいやら寂しいやら…
いろんな感情がぐちゃぐちゃで布団に顔を押し付けた。
「はいはい。死ななかったんだからいいだろ。しかも能力はもうないから狙われないしな」
「………あ…そうなの………なら、え?なんでさっき…キス、した…の??」
茉莉の中では単純な疑問だった。
キスする理由ないじゃん?それだけ思って聞いただけだった。
キスする理由。
それって大切だって、思ってるんだよ?
「お前は俺のモノだろ」
「へ?」
ポスン……
目の前の壁がぐるーと回って今見えるのはナルトの顔と、天井。
「お前が俺の上に落ちて来た時に、そう言っただろ」
“こいつ俺が貰う”
“やったぁ!さぁどうぞぉ!!”
そういえばまさかの現実だとは思わずにそんな大それたことを…
「ぅ…あ……あれは………いっ」
いつの間にかナルトに握られていた両手が強く握りしめられ鈍い痛みが襲った。
「……許さない」
「ナル……」
「離れるのは許さない。俺から離れるってんなら…今度こそ、殺してでも俺の傍に留めてやる。お前は俺のモノだ、誰にも渡さない。」
「ナ…んん!っ……」
私も言うことあるんだけどー!
何故にナルトはこんなにも手が早い!!
一言も発せられずに茉莉はただナルトのキスを受け入れる。
なんかめっちゃ愛されてるー?
今度は後悔しないように…カモン!!きゃっ!
―ガチャ
「ナルトー、茉莉目覚めた……か‥……」
入って顔を上げた瞬間シカマルは真っ青に染まった。
もう全身が。
見えた光景に驚いたわけではない。
その光景から導かれる答えの先に自分の死が見えたからである。
「てめぇ…一度ならず二度までも………」
「ナ、ナルト…ワザとじゃない!落ち着け!!」
「――死ね!」
「待ッ!ちょっ!!」
ドカンバタンと音を立てながら遠ざかる二人。
茉莉はベッドの上で天井を見つめつつ呟いた。
「愛って………ステキ…」
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